アーセナルに所属する日本代表DF冨安健洋(22)は、加入からわずか2カ月間ですでに必要不可欠な戦力となっている。その中、イギリスメディア『フットボール・ロンドン』は10日、冨安健洋がディフェンスラインで果たしている役割について分析した。
冨安健洋は今夏の移籍ウィンドウでボローニャからアーセナルへ完全移籍。先月7日開催のFIFAワールドカップ・カタール大会のアジア最終予選・中国戦から中3日という過密スケジュールのもと、プレミアリーグ第4節・ノリッジ・シティ戦で先発メンバーに名を連ねてデビュー。右サイドバックで安定感抜群のパフォーマンスを発揮すると、その後はトッテナム・ホットスパーとのダービーマッチをはじめここまでリーグ戦全3試合フル出場している。
また、アーセナルは今季プレミアリーグ開幕から3連敗を喫していたものの、冨安健洋の加入以降はリーグ戦で3勝1分としているほか、トッテナム戦以外の3試合は無失点で終えている。
空中戦でのデュエル成功率の高さをはじめ、対人戦での強さを高く評価されている冨安健洋だが、『フットボール・ロンドン』は同選手がビルドアップ(攻撃の組み立て)でも大きな役割を果たしていると主張。
アーセナルのミケル・アルテタ監督は「4-2-3-1」というシステムを採用しているが、自陣から攻撃を行う際に「3-2-2-3」のフォーメーションを形成。右サイドバックを務める冨安健洋が最終ラインの一角に入り、パスコースを作っている。そして同選手は両足ともにキックの精度が優れているため、自らの縦パスにより守備から攻撃の局面に素早く転じることが可能だと説明している。
また、ボールが敵陣の深い位置まで運ばれた時には「2-3-5」の布陣になるが、冨安健洋は中盤の深いポジションにとどっているとのこと。カウンター時にセンターバックが危険な局面を迎えることを防ぐほか、チャンスがあれば攻撃参加をしている。
くわえて『フットボール・ロンドン』は冨安健洋がアルテタ監督の攻撃面での戦術にフィットしている理由として、ボローニャでもシニシャ・ミハイロビッチ監督のもとで同様の役割を与えられていたことをあげている。東京五輪での経験をへて一回り成長した冨安健洋の獲得は理にかなっていると言って良いだろう。
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