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鈴木優磨残留の影響が…STVV、5億円超の赤字に立石敬之CEOは…

鈴木優磨 写真提供: Gettyimages

 FW鈴木優磨(25)は今夏退団が濃厚と伝えられていたが、複数のオファーを拒否した末にシント=トロイデンVV(STVV)に残留している。その中、STVVは今月16日に決算報告を行っているが、鈴木優磨を放出できなかった影響が数字に表れているようだ。16日、ベルギーメディア『VOETBAL』が伝えている。

 鈴木優磨の去就を巡っては、昨季終了後にSTVVが新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて資金調達を行う必要性に迫られれていると伝えられる中、ペーター・マース元監督や立石敬之CEO(最高経営責任者)がベルギー国内メディアのインタビューで同選手の今夏退団が濃厚となっていることを認めるコメントを残していた。

 そんな鈴木優磨には10以上のクラブが関心を寄せていたものの、同選手はセリエAへの移籍を熱望。そのため、ヘルタ・ベルリンやベルギー国内の強豪アンデルレヒト、クラブ・ブルージュ、スュペル・リグ(トルコ1部)の強豪フェネルバフチェからのオファーを拒否。また、スペインやスコットランドから届いたオファーについても受け入れない姿勢を見せていた。

 また、先月末にはセリエAのカリアリがアルゼンチン代表FWジョバンニ・シメオネ(26)の後釜候補に鈴木優磨ら複数選手をリストアップしていると伝えられていたが、鈴木優磨とカリアリが合意に至ることはなかった。くわえて、移籍市場最終日の8月31日には、東京五輪の日本代表DF板倉滉(24)を擁する2.ブンデスリーガ(ドイツ2部)のシャルケへ移籍が実現しなかったほか、EFLチャンピオンシップ(イングランド2部)のノッティンガム・フォレストからの打診も却下し、STVV残留に至っている。

 その中、STVVはクラブ公式チャンネルにおいて決算報告を行い、400万ユーロ(約5億2000万円)の赤字を抱えたことを発表。主な要因として、新型コロナウイルス感染拡大の影響をあげている。

 一方、『VOETBAL』はSTVVは鈴木優磨の獲得を望むクラブに対して、移籍金として500万ユーロ(約6億5000万円)を求めていたことを報じた上で、同選手の残留がSTVVの財政に影響を与えたという見解を示している。

 また、STVVはDFマキシミリアーノ・カウフリーズ(24)をロシア1部のスパルタク・モスクワへ完全移籍により放出。くわえて、移籍市場最終日には元コンゴ民主共和国代表FWイロンベ・ムボヨ(34)もKAAゲントへ放出している。

 両選手の退団により、およそ300万ユーロ(約3億9000万円)の収入を得たと見られる中、立石敬之CEOは「我々の財政状況としては、懸念するほどのものではありません。ただ、(2選手の放出により)財政面でより安定しています」と説明している。