ジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)のシント=トロイデンVV(STVV)に所属するFW鈴木優磨(25)は、複数クラブからのオファーを拒否した末に今夏残留に至っている。本人が公式戦出場の拒否をはじめとする自身の振る舞いについて反省の言葉を残す中、STVVのベルント・ホラーバッハ監督が同選手の今後について語った。2日、ベルギー紙『HBVL』が伝えている。
鈴木優磨は今夏セリエAへの移籍を強く望んでいたこともあり、今年5月にヘルタ・ベルリンからのオファーを拒否。その後はベルギー国内の強豪アンデルレヒト、クラブ・ブルージュ、スュペル・リグ(トルコ1部)の強豪フェネルバフチェなど次々とセリエA以外のクラブから届いたオファーを却下。スペインやスコットランド方面からも打診を受けていたが、これらも断っていたことが明らかになっている。
また、今週に入ってはセリエAのカリアリがアルゼンチン代表FWジョバンニ・シメオネ(26)の後釜候補として、鈴木優磨ら複数選手をリストアップしていると伝えられていたが、鈴木優磨とカリアリが合意に至ることはなかった。
さらに一部の欧州諸国をのぞいて移籍ウィンドウ最終日である8月31日には、東京五輪の日本代表DF板倉滉(24)を擁する2.ブンデスリーガ(ドイツ2部)のシャルケへ移籍する可能性が噂されていたが、実現せず。そしてEFLチャンピオンシップ(イングランド2部)のノッティンガム・フォレストとSTVVが鈴木優磨の売却でクラブ間合意に達していたものの、本人がこのオファーも拒否。STVV残留に至っている。
鈴木優磨は移籍市場が開いている期間において、公式戦への出場を拒否。チーム内や周囲で同選手の行動を問題視する声が上がっていた。その中、本人は今月1日に自身のインスタグラムアカウントを更新。「自分自身の振る舞いは正しいやり方ではありませんでした」と反省の弁を述べている。
そして、ホラーバッハ監督は同選手について「ユウマは水曜日の朝に私のところにやって来た。そして、ここ数カ月間にわたってチームよりも自分自身を優先する行動をとっていたことで謝罪した。(イロンベ・)ムボヨはここを去ったが、それでも私は彼のことを責められない。確かに彼のもとには素晴らしいオファーが届いていたが、それでもムボヨは最後に日まで自分自身をSTVVに捧げていた。トレーニングに参加し、試合にも出続けていた。その点でスズキは間違っていたと自覚することを私は望んでいる」とコメント。
また、鈴木優磨を今後の公式戦で起用する可能性について問われると「ユウマがどのくらいの割合で試合に出場するのか現時点では言えない。おそらくデュッセルドルフ戦では、数分間プレーするだろう」と2日に行われる練習試合・フォルトナ・デュッセルドルフ戦でプレーする可能性を示唆。
つづけて「(ユウマの残留により、チームの編成に関して)もう一度考え直さなければならない。どのストライカーの組み合わせが我々にとってベストなのか考える」とコメントを残している。
STVVは今夏の移籍ウィンドウで明治安田生命J1リーグのサガン鳥栖から林大地を完全移籍により獲得。くわえて今月24日にはラ・リーガ(スペイン1部)のデポルティーボ・アラベスからFW原大智(22)を1年間のレンタル移籍により獲得している。昨季のリーグ戦で2桁得点をあげた鈴木優磨だが、新加入の2選手を前にシーズン序盤は厳しい立場に置かれるかもしれない。
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