プレミアリーグ2021/22シーズンの開幕ダッシュに失敗したアーセナル。ここまで3試合を消化したが、未だ勝ち点とゴールが「0」と、状況は非常に深刻だ。開幕3戦全敗は67年振りで、単独最下位の20位に低迷している。
もちろん、3試合のうち2試合は昨シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)覇者チェルシー、準優勝のマンチェスター・シティという難敵との連戦であったり、新型コロナウイルスの影響によりチームの主砲であるピエール・エメリク・オーバメヤンやアレクサンドル・ラカゼットなどの主力選手を欠いたりと運に見放されたという声も大きい。それにたった3試合で全てを語るというのも御門違いではある。
しかし、ミケル・アルテタ監督が就任した2019/20シーズンからの成長軌道という視点から物事を見つめれば、今シーズンの立ち上がりはどのように映るだろうか。途中から就任したシーズンでは最終的にはチームをFAカップ優勝に導き、その翌シーズンには「3年以内にCLを制覇する」という目標を掲げた。そうした流れを踏まえると、このリーグ初戦3試合の出来は決して良かったとは言えない。
そんな苦境に立たされる今のアーセナルに、「3つの問い」を挙げて問題提起したい。
改めて今「目標」は一体何なのか?
前述した通り、アーセナルは2020/21シーズンに、3年以内にチャンピオンズリーグ(CL)を制覇するという目標を掲げた。そのためにはそれよりも早くCLで戦えるクラブにすることが必要だ。しかし大風呂敷を広げた同シーズンはリーグ戦8位。ヨーロッパリーグ(EL)ではウナイ・エメリ監督率いるビジャレアルに破れてベスト4止まりに終わり、結果25年ぶりとなるヨーロッパコンペティション不出場という壊滅的なシーズンとなってしまった。実際には目標から遠ざかっているのだ。
メガクラブが上位にひしめくようになった今、強豪クラブとしての称号が剥奪されたアーセナルはCL制覇という机上の空論ではなく、まずは「EL出場」を目指した戦略へと舵を切る必要があると私は考える。
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