
2位:ホルヘ・カンポス
ファッショナブルな超小柄GK
- 元メキシコ代表、元UNAMプーマスなど
- ポジション:GK、FW
- 年齢:54歳
公称175cmとされる身長も、絶対に170cm以下と見られる超小柄なGKホルヘ・カンポスは、W杯にも3大会連続で選出。うち2大会はレギュラーとしてプレーしたメキシコ代表の守護神である。自身でデザインしたカラフルなユニフォームで試合に出場するのがトレードマークなイケメン選手として人気を博した。
コパ・アメリカ1995や翌年のアトランタ五輪で、メキシコ代表の背番号「9」を着たのは、クラブではFWとしてプレーする試合もあったため。メキシコリーグではキャリアハイ14得点を記録するなど水準以上のFWだった。スピードとテクニックに優れ、足技は闘莉王以上だったと言える。

1位:ルート・フリット
比類なきリアル二刀流
- 元オランダ代表、元ACミランやサンプドリアなど
- ポジション:DF、FW、MF
- 年齢:58歳
栄えある第1位には、全く揺るがずにルート・フリット(グーリットとも呼ばれる)を推す。193cm88kgの恵まれた体躯とスピード、しなやかなテクニックを兼ね備えた絶対的万能選手。プロキャリアをスタートさせたオランダリーグ時代はリベロとしてプレーしながら得点王を争い、PSVアイントホーフェンをリーグ優勝に導く活躍を披露。1987年にはバロンドールも受賞した。
オランダ代表では1988年の欧州選手権(現EURO)でFWとして優勝に貢献。ミラン移籍後も同じオランダ代表のマルコ・ファン・バステン、フランク・ライカールトとのオランダトリオで“グランデ・ミラン”(偉大なミラン)の大黒柱として活躍した。欧州チャンピオンズカップ(現CL)連覇など国内外のタイトルを軒なみ獲得。ミランでは主にFWとしてプレーしたが、右サイドMFなども経験。
33歳となる1995年にイングランドのチェルシーへ移籍すると、ボランチも経験したが、主にCBとしてプレー。さらにシーズン中にグレン・ホドル監督がイングランド代表の指揮官に就任すると、チェルシーの兼任監督に就任。そのうえで主にCBとしてプレーし、PFA年間ベストイレブンにも選出された。
どこのポジションでも世界レベルのプレーを披露し、チェルシーではプレーイングマネージャーとしてFAカップも獲得したが、監督としてのキャリアはそれ以降上手くはいかず。卓越したサッカーセンスは指導者としては活かせなかったようだ。

番外編:本田圭佑、高原直泰、ロジェリオ・セニ、ホセ・ルイス・チラベルト
今回のベスト10では選外としたが、選考過程に残った4名を紹介しよう。
元ブラジル代表GKロジェリオ・セニはサンパウロ一筋で過ごし、背番号は「10」を意識した「01」を付けるほどの正確なキックを武器に、GKとしてギネス記録となる131得点を挙げた。またGKによる得点に関しては元パラグアイ代表のホセ・ルイス・チラベルト氏が有名で、彼は代表でもセットプレーの正プレースキッカーとして8得点を挙げた。ただ、セニとチラベルトはGKの範疇内における活躍だったため、二刀流ではないと判断した。

また、本田圭佑(現ネフチ・バクー)と高原直泰(現・沖縄SV選手兼代表)は、クラブ経営者や監督として二足、三足の草鞋を履いているが、二刀流の定義からは外れると判断した。
本田は就任3年が経過した実質的なカンボジア代表監督としての実績はまだないが、経営者としては面白い。現在では最も戦術的に進んでいるオーストリアリーグのSVホルンの経営に2015年から参入し始め(2019年に撤退)、現在は「J3クラスのスポンサーと競争力があるのでは?」と噂されるほど充実している東京都社会人リーグで発起人としてチームを立ち上げるなど着眼点は鋭い(現在は3部に属するEDO ALL UNITED)。
高原は自身が2015年に立ち上げた沖縄SVで一時期、選手兼監督兼代表の三足の草鞋を履いていたが、現在監督はジュビロ磐田時代の同僚である山本浩正氏に譲った。42歳にして未だチームのエースとして活躍し、現在所属している九州リーグからJFL昇格を目指している。さらには「沖縄ファーム」としてコーヒー豆の開発・栽培を始めており、国産のコーヒーブランド誕生という悲願に向けて邁進しているようだ。国家プロジェクトにもなりえる壮大なビジネスは今後も注意深く見守っていきたい!
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