歴史のある欧州サッカー界では、親子でプロ選手ということが珍しくない。
イタリアのマルディーニ家のように、親子3代に渡ってプロリーグに在籍しているケースもある。現在は3代目のダニエル・マルディーニがミランに所属しているが、父のパオロ(1984-2009)祖父のチェーザレ(1954-1966)がロッソネーリ(ミランの愛称)のユニフォームをまとって活躍した。
一方、1993年に誕生したJリーグでは、このようなケースは未だ少ない。しかし、今後Jリーグ史上初となる親子対決も実現しそうな1組が今年出現している。彼らを含むJリーグにおける親子プレーヤー7組を紹介しよう。
ハーフナー親子
ハーフナー親子は、1994年に一家全員で日本国籍を取得し、日本人初の親子Jリーガーとなった。
父のディドは、Jリーグが誕生する前から来日。1986年にマツダSCと契約し、コーチ兼任選手という珍しい形で日本のサッカーに初めて関わった。1995年に同様の形でジュビロ磐田と契約。北海道コンサドーレ札幌を最後に1998年に選手を引退し、GKコーチのキャリアに専念したディドは複数のJクラブの指導に務めた後、韓国の水原三星ブルーウィングスに渡っている。現在は母国オランダでピッチに用いる芝生の管理、造成に携わる仕事をしているようだ。
一方、ディドの2人の息子は、GKではなく別のポジションでプレーしている。
長男のマイクは、FWとして横浜F・マリノスを始め複数のJクラブでプレーした。2011年から2016年にかけて日本代表にも選抜されている(現在東海社会人サッカーリーグ2部のFC Bombonera GIFU所属)。
次男のニッキは、DFとしてプレー。名古屋グランパスを経て欧州に渡り、現在はスイス・チャレンジリーグ(2部)のFCトゥーンに所属している。
ハーフナー・ディド
- 生年月日:1957年9月26日(63歳)
- ポジション:GK
- Jクラブ所属歴:名古屋グランパス(1992-1994)、ジュビロ磐田(1995-1996)、コンサドーレ札幌(1997-1998)
- その他のクラブ所属歴:ADOデン・ハーグ(1979-1985)、マツダSC(1986-1989)、読売クラブ(1989-1990)、読売ジュニオール(1990-1991)
- 監督歴:なし
ハーフナー・マイク
- 生年月日:1987年5月20日(33歳)
- ポジション:FW
- Jクラブ所属歴:横浜F・マリノス(2006-2009)、アビスパ福岡(横浜FMからのレンタル・2008)、サガン鳥栖(横浜FMからのレンタル・2009)、ヴァンフォーレ甲府(2010-2011)、ヴィッセル神戸(2017-2019)、ベガルタ仙台(神戸からのレンタル・2018)、ヴァンフォーレ甲府(2020)
- その他のクラブ所属歴:フィテッセ(2012-2014)、コルドバCF(2014)、HJKヘルシンキ(2015)、ADOデン・ハーグ(2015-2017)、バンコク・ユナイテッド(神戸からのレンタル・2019)、FC Bonbonera GIFU(2021-)
ハーフナー・ニッキ
- 生年月日:1995年2月16日(26歳)
- ポジション:DF
- Jクラブ所属歴:名古屋グランパス(2013-2015)
- その他のクラブ所属歴:SVホルン(2016-2018)、FCヴィル1900(2018-2019)、FCトゥーン(2019-)
広瀬親子
かつて浦和レッズに所属した広瀬治と、現在鹿島アントラーズでプレーしている広瀬陸斗も親子関係である。
父の治は、センターハーフ、リベロ(自由に動きつつ隙あらば自由に攻撃に参加するDF)の役を担い、フリーキックも得意としていた選手であった。引退後は浦和で長年ユースのコーチを務め、監督を任されたこともある。現在は社会人チーム「川越Future」の監督を務めている。
また、息子の陸斗は2014年に水戸ホーリーホックでプロとしてのスタートを切った。父と同様に守備的な選手だが、中央のポジションではなく右サイドバックとして活躍している。
広瀬治
- 生年月日:1965年6月6日(55歳)
- ポジション:DF、MF
- Jクラブ所属歴:浦和レッズ(1992-2000)
- その他のクラブ所属歴:三菱重工/三菱自動車(1984-1992)
- 監督歴:浦和レッズ ユース(2005-2006)、境トリニタス(2017-2019)、川越FUTURE(2020-)
広瀬陸斗
- 生年月日:1995年9月23日(25歳)
- ポジション:DF
- Jクラブ所属歴:水戸ホーリーホック(2014)、徳島ヴォルティス(2015-2018)、横浜F・マリノス(2019)、鹿島アントラーズ(2020-)
- その他のクラブ所属歴:なし
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