プレミアリーグ 移籍

確実にチームを向上させる的確なプレミア移籍事例3選

写真提供: Gettyimages

毎シーズンこの時期の楽しみは何と言っても選手の移籍だろう。新シーズンをワクワクさせてくれる恒例行事だが、今回はクラブの戦略を下に理に適った移籍を実現させ上昇気流に乗せようとする的確なプレミアリーグでの移籍事例を3つご紹介したい。


ティモ・ヴェルナー 写真提供: Gettyimages

ティモ・ヴェルナー(チェルシー)

タミー・アブラハムの決定機のミス連発やウィリアンの契約延長難航などにより攻撃面において、相対的に問題視されていたチェルシー。クリスティアン・プリシッチもパフォーマンスにムラがあり決して安定的な攻撃が持続できない中で、チェルシーはティモ・ヴェルナーを獲得した。これはチェルシーにとってさらなるステップアップとなることだろう。

意外にも、16/17シーズンのジエゴ・コスタ以降、20ゴール以上ゴールを決めたチェルシーの選手は存在しない。決定力に優れたストライカーを渇望するチェルシー。アブラハムは昨シーズン15ゴールと悪くはなかったものの、22回もの決定機のミスはガブリエル・ジェズスに次ぐリーグワースト2位。フランク・ランパード監督もここには黙っていられなかったのだろう。一方のヴェルナーは昨シーズンブンデスリーガで28ゴールと大躍進。彼はチェルシーの攻撃時の問題解消に一躍するはずだ。


マット・ドハーティ 写真提供: Gettyimages

マット・ドハーティ(トッテナム)

ピエール・エミール・ホイビュルクに続いて、トッテナムはウルブスからマット・ドハーティを獲得した。この補強は今のトッテナムに2つの効能があると考える。

1つはシステムに柔軟性をもたらす効果である。ジョゼ・モウリーニョ監督が率いてから、4バックをメインにシステムを構築したが、相手のシステムによって機能しない試合も存在した。ウルブスではウィングバック、アイルランド代表では右サイドバックを務めているドハーティの加入により3バックと4バックの併用が実現可能となる。プレシーズンマッチのイプスウィッチ戦では3-4-1-2を試したことからも、次に前進するための変化を伺える。

もう1つはセルジュ・オーリエの守備不安の解消だ。現在、トッテナムの右サイドバックはオーリエがファーストチョイスであり、積極的な攻撃参加は魅力的だが、一方で守備のエラーが多く失点に繋がりかねないケースも存在する。ドハーティの安定的なプレーはウルブスでも定評があり、その強みはトッテナムの課題を解消することになるだろう。


南野拓実 写真提供: Gettyimages

南野拓実(リバプール)

昨シーズンの冬にレッドブル・ザルツブルクから加入した南野拓実も、リバプールの飛躍の一助として獲得された的確な移籍であると考える。一般的には、昨シーズンのチャンピオンズリーグで南野がリバプール相手に大暴れし、その功績が認められ移籍を果たしたという印象が強いが私はそう思わない。リバプールの攻撃オプションに欠かすことのできない役割になると見込んだクレバーな補強であると考える。

言わずもがな今のリバプールはサディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ、モハメド・サラーの3トップが魅力的な攻撃を展開しているが、それでも機能しない場合に打つべき打開策はペンディングされているように思えた。かつてジェルダン・シャチリがリバプールへ加入したシーズンで新たな攻撃オプションを試したように見えたが、それが上手くいったとは決して言えなかっただろう。

今回の南野の移籍は別角度から攻撃を活性化させる新たなパーツとしてのものであると私は考える。プレシーズンマッチのブラックプール戦では4-2-3-1のトップ下に南野を配置し、リバプールのさらなる進化を模索しているように伺えた。進化を止めない組織はとてつもなく強い。今シーズンのリバプールにも大いに期待できるだろう。

名前:秕タクオ

国籍:日本
趣味:サッカー、UNO、100均巡り

サッカー観戦が日課のしがないサラリーマンです。かれこれ人生の半分以上はサッカー観戦に明け暮れ、週末にはキルケニー片手にプレミアリーグやJリーグにかじりついています。

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