6月のリーグ再開を目指し意気揚々となるプレミアリーグだが、その想いとは裏腹に暗雲が立ち込めている。
新型コロナウイルスの感染懸念を考慮し、オランダ1部エールディビジでは優勝・降格なしとした今シーズンの打ち切りを発表。さらにフランス1部リーグ・アンでも、リーグ戦の打ち切りとパリ・サンジェルマンの優勝を発表した。どちらのケースについても言及できることは、自らの利益よりも人命を優先した英断であるということだ。
新型コロナ拡大による世界のサッカーリーグ状況まとめ【情報更新中】
プレミアリーグ再開の動きが報道でも散見されるが、300万人以上の感染者が確認される中において果たして実現するのだろうか。ましてや死者数が世界で3番目に多いイギリスにおいて、生命の危機に脅かされながらリーグ戦を再開するのは正しいことなのだろうか。
万が一、エールディビジやリーグ・アンと同様にプレミアリーグも打ち切り決断することになると、解決しなければならない課題の1つには「順位とチャンピオンズリーグ出場権」が挙げられるだろう。一部のクラブを除き29節まで消化した状況をどのようにジャッジするのかはメディアでも様々な議論が展開されているが、大まかに分けると下記の3つの案に分類されると考える。
その場合、プレミアリーグの順位はどうなるだろうか。
①平均勝ち点案
現在のプレミアリーグの消化状況において最も考慮すべき点は、カラバオカップ決勝のためにリーグ戦を消化できなかった4クラブが存在している点である。1試合消化が少ない4クラブとそれ以外のクラブをどのように扱うのか。その1つとして平均勝ち点という案は非常にフェアである。実際リーグ・アンではこの平均勝ち点方式が採用された。そうなると実際のリーグテーブルでは7位であるシェフィールド・ユナイテッドと6位のウルブスが入れ替わる結果になる。
②28節終了時勝ち点案
試合数の差異を公平に扱う手法は平均勝ち点だけではない。その1つに全クラブの試合数をすべてフラットにするという案も挙げられている。つまり、28節終了時点での順位を最終順位にする手法だ。その場合、上位4クラブは変わらないが、やはりヨーロッパリーグ出場権争いにおいて順位が変動する。今度はシェフィールド・ユナイテッドが5位まで浮上する結果に。
③19節終了時勝ち点案
3つ目の案はリーグ戦全38試合の内、前半戦である19試合で順位を決めるというもの。前述した2つの案の究極のデメリットは対戦カードの優劣が存在しているということだ。つまり、史上最強のリバプールとの対戦をしないまま終わるクラブや「ここには勝てるだろう」と勝ち点を見込んでいるクラブとの対戦をすることなく勝ち点獲得の機会を逃してしまうクラブが現れ、フェアな順位付けができなくなる事態に発展しかねない。ホームアンドアウェーによる対戦こそ実現できないものの、全クラブが19クラブすべてと対戦した19節終了時点で順位を確定させるのも有効な手段とも言える。目立った動きとしては、レスターとマンチェスター・シティの順位が入れ替わり、また現在8位のトッテナムが6位に浮上する。
Liverpool were destroying the competition in the #PremierLeague 🕹️ 👾
— Onefootball (@Onefootball) April 26, 2020
But then we had to pause the game ⏸️ pic.twitter.com/3L1TwnvBBk
どういう結末になるとしても、独走状態をシーズン終盤まで一貫させたリバプールの群を抜いた破壊力は世界中を震撼させ、それはこれからも人々の心に残り続けるだろう。
リーグ戦を続けるのかそれとも打ち切るのか。果たして、プレミアリーグは最終的にどのような解を出すのであろうか。
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