
クラウディオ・マルキジオ
ユベントスのユースで育てられ、ずっと同クラブのために尽力してきてたクラウディオ・マルキジオ。彼ほどユーベにぴったりの選手はいないと思われていた。そのプレーはエレガントでありながらガッツにも溢れていた。また、スタイルも性格もクラブのコンセプトにぴったりだったため、「ミスターユベントス」あるいは「プリンチペ(王子)」とまで呼ばれていた。
しかし、ユーベの柱となると思われたマルキジオにも、輝かしい未来を台無しにする事件が起こる。2016年4月に行われたパレルモ戦で左ひざの靭帯十字部分断裂という重傷を負って2015-16シーズンを終了し、イタリア代表メンバーとして戦う予定だったEURO2016の参加も断念。2016年10月には復帰戦を迎えたが、その怪我は引退までずっと響くこととなった。
ビアンコネーリ(ユーベの愛称)はマルキジオがもう高いレベルではプレーできないと判断し、2018年にはロシアのゼニト・サンクトペテルブルクに移籍することとなった。そして、彼はわずか9試合の出場で引退という選択をした。

セバスティアン・ジョビンコ
セバスティアン・ジョビンコも、マルキジオ同様ユーベのユースに育てられた。ジョビンコのセリエAでのピークは、パルマに所属した頃(2010-2012)だ。2011/2012シーズンはトップスコアラーとしてパルマの残留に貢献し、イタリアのサッカーを再び強くする選手として期待されるようになった。
しかしその後、彼は一つの判断ミスをした。それはユーベに復帰したことだ。当時のビアンコネーリには、ジョビンコと同じポジションにアレッサンドロ・デル・ピエロなる素晴らしい選手がいた。そのためジョビンコには本来のポジションでのプレー機会がなかなか与えらず、出場できない試合も多かった。
ジョビンコは2015年にイタリアを去り、アメリカMLSリーグのトロントで2019年までプレーする。MLSでは114試合中68得点を挙げ、最優秀新人賞やMVPに選出されるアメリカ国内のスターとして活躍した。そして現在は、サウジアラビアのアル・ヒラルでプレーしている。
前述の3選手と違い、ジョビンコがイタリアでのプレーを断念したのは怪我のためではない。ユーベ…いや、イタリアのクラブのサッカーに対する考え方のためである。ここ10年イタリアのチームでは、高身長でフィジカルの強い選手が好まれている。身長160cmのジョビンコにとっては、残り辛い環境だった。しかし、ジョビンコに関しては今でも足元の技とスピードに関して誰にも負けないと信じている。もう一度イタリアでの素晴らしいプレーを見てみたいものだ。
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