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パトリック・シックは蘇った!ローマでの不調とライプツィヒで復活の理由 

写真提供: Gettyimages

我々イタリア人は感情的であって、誤った判断をすることが多い。現在ローマからドイツのライプツィヒにレンタル移籍をしているパトリック・シックに関しても、2度も判断を間違ってしまった。

1度目の判断ミスは、シックが2016-2017年サンプドリアに所属していた時、彼に対してサッカー界のトップに立つ才能の持ち主だと大きな期待をかけ過ぎたこと。2度目の誤ちは、シックが2017年ローマに移籍して全く活躍していなかった時、彼はもう輝けないと判断したことです。

シックはどんなシステム(フォーメーション)でも活躍できるタイプの選手ではない。しかし、彼のポテンシャルを引き出せるチームがいれば、そのチームは彼によって着実に強くなる。

現在、シックはライプツィヒに所属し、ローマ時代とは別人のような大活躍を見せている。とはいえローマが悪い環境であって、精神的に楽になったからなどとは言えない。ローマは基本的に選手のレベルアップにふさわしいチームです。リバプールのモハメド・サラーやアリソン・ベッカーなど、ローマで伸び伸びと成長した後に世界トップクラスのクラブで素晴らしい活躍している選手がたくさんいる。

シックは単純に、ローマの戦術に合わなかった。最初からこのチームに移籍するべきではなかった。

パトリック・シック 写真提供:Getty Images

不調を招いたローマの戦術

現在ブンデスリーガに移籍したことで、シックはイタリア人からの期待によるプレッシャーから解放されて笑顔でプレーする姿が見られるようになった。しかし、大活躍の理由はそれだけではなく、彼がカバーしているポジションにもある。

ユリアン・ナーゲルスマン監督率いるライプツィヒでは、シックはティモ・べルナーの隣でセカンドストライカーとしてプレーしている。それは彼の元来のポジションであって、サンプドリアに所属していた時もそこで輝いていた。当時はファビオ・クアリャレッラまたはルイス・ムリエルをサポートし、現在と似たような形で活躍していた。

しかし、ローマでは状況が違った。エウゼビオ・ディ・フランチェスコが指揮した時代には、セカンドストライカーが必要なかったのだ。何故ならローマには一人でペナルティ・エリアを支配するエディン・ジェコなる選手がいたからです。

当時シックは度々サイドで使われた。つまり、ボールを持たずに絶妙なタイミングの縦の動きでペナルティ・エリアに入り込むという彼の得意なパターンが完全に消されていた。

写真提供: Gettyimages

ライプツィヒでの復活

ライプツィヒで、すぐにシックはかつてのような選手に戻った。スピードがあるこのチームのゲーム運びでシックには広いスペースが与えられ、本来のポジションで彼は自分の役割を完璧にこなすことができる。また、サイドの選手とのスイッチで相手のディフェンスを混乱させるなど、新しい攻撃パターンにも挑戦している。

また、イタリアでは複数の軽い怪我に苦しんでいたが、ドイツに移籍してからそのような状況もなくなった。環境を変え、再び注目浴びるようになったシック。まだ24歳という若さでもあり、これからも成長が期待できます。

しかし、それはあくまでもローマに戻らない場合の話。現在シックはライプツィヒにレンタルで移籍しています。ローマが彼の活躍を見てチームに戻すことを望めば、シックは逆戻りする可能性が高い。

現在のローマは、ディ・フランチェスコからパウロ・フォンセカへの監督の入れ替えがあったが、前線の攻撃パターンは以前とあまり変わっていない。未だにセカンドストライカーの活躍を必要としないシステムになっている。

ライプツィヒに残るのが最善?

おそらく、シックにとって今後の最善の選択は、ライプツィヒに残ることです。彼のレンタル契約には買取オプションが付いているので、ライプツィヒが2800万ユーロ(約34億円)を支払えば、彼を完全移籍させることができる。

シックはライプツィヒのように、レッドブル・グループのチームが採用するシステムにぴったりの選手です。レッドブル・ザルツブルクでの南野拓実のようにこのサッカースタイルを自分のものにすることができたら、同じようなシステムを使う強いチームに移籍することが考えられます。

いつか彼が一流の選手になり、イタリアで再び活躍することを願っています。

名前Uccheddu Davide(ウッケッドゥ・ダビデ)
国籍:イタリア
趣味:サッカー、アニメ、ボウリング、囲碁
好きなチーム:ACミラン、北海道コンサドーレ札幌、アビスパ福岡

14年前に来日したイタリア人です。フットボール・トライブ設立メンバーの1人。6歳の時に初めてミランの練習に連れて行ってもらい、マルディーニ、バレージ、コスタクルタに会ってからミランのサポーターに。アビスパ福岡でファビオ・ペッキア監督の通訳も務めた経験があります。

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