元日本代表FW岡崎慎司が所属していたレスター・シティがプレミアリーグ初優勝を果たしたのは、すでに3年半前の話になる。その時まであまり目立ったことがなかったレスターは、奇跡が本当に起きるものだと教えてくれた。
しかし、奇跡を繰り返すのは極めて難しいことです。レスターはその歴史的な勝利からパワーをもらい、少しずつ常時的にプレミアのトップで戦えるようなチームになるための力をつけようとしている。もちろん、それは一つのシーズンでできるものではありません。
奇跡の優勝から今まで
レスターの奇跡的な優勝から今までの間に、オーナーであったタイ人のビチャイ・スリバダナプラブハ氏がヘリコプターの墜落事故で死亡したこともあって、クラブは苦しい状況の中で強くなることだけを考えて進んでいる。
奇跡に導いたクラウディオ・ラニエリ監督を解任してから、3人の指導者が入れ替わり、試行錯誤で一番いい形を探してきた。そして、2019年2月に以前リバプールやスコットランドのセルティックなどで指揮をしたブレンダン・ロジャーズ監督が就任してから、レスターは再びプレミアリーグで結果を残すようになっている。
現在レスターは、ユルゲン・クロップ監督率いる首位リバプールのすぐ後、2位の座を守りながら逆転のチャンスを待って堪えている。その下でこの状況を見ているのは、マンチェスター・シティ、チェルシー、トッテナム、マンチェスター ・ユナイテッド、と、プレミアの名門クラブだ。
この状況は大事なことを示している。レスターは一回のリーグ優勝に満足などしてない。これからもトップクラブの一つでありたい。
現在のレスターの強さの秘密
ビチャイ・スリバダナプラブハ氏が亡くなってから彼の思いを引継ぎ、経験を積みながらクラブに良い影響を与えているのは、息子のアイヤワット氏です。この3年間、予算を確保しながら移籍期間のアクティブな動きでクラブを少しづつ強くした。
3年前のリーグ優勝から残っている選手は、キーパーのカスパー・シュマイケル、キャプテンのウェズ・モーガン、サイドバックのクリスティアン・フックス、そしてフォワードのジェイミー・バーディのみ。
もちろん激しく移籍市場で動いたことだけで全てがうまくいったわけではない。期待外れで、すでにクラブを離れている選手もいる。しかし、この3年でレスターはフィジカルもスピードもある選手を揃えてチームを作り上げてきた。また、その選手たちはリーグ優勝時の選手たちよりクオリティが高い。
去年レスターがディフェンスを固めるために獲得したトルコ代表チャグラル・ソユンクとベテランのジョニー・エヴァンズは、今年のプレミア最強と言われているディフェンダーです。
中盤では、チェルシーに移籍したエンゴロ・カンテの代わりにラニエリ監督時に獲得されて一気に成長したウィルフレッド・ディディ、そして高い技術を持ち込むユーリ・ティーレマンスが主役となっている。
しかし、このチームを導いているのは他の誰でもない。岡崎と一緒にレスターの奇跡を起こしたバーディです。今まで彼は様々なトップクラブからのオファーを断り、ずっとこのチームを支えてきている。今年はすでに18得点を決め、チームのトップストライカーでありつつ得点王の座も狙っている(現在の1位は22得点で、リバプールのモハメド・サラーです)。
岡崎所属時のレスターと今のレスターを比べよう
レスターの今年の素晴らしい活躍は、やはり岡崎がいたレスターを思い起こさせる。しかし、データの上では、今のレスターの方が強いということがわかる。
2015/2016シーズンの同じ17節でレスターは勝ち点38であって、今の39点とそこまで変わらない。しかし、2019/2020のレスターの得点シーンは、着実に昔のチームより増えていて実際に得点も多く生まれている(昔32得点、現在40得点)。また、安定したディフェンスのおかげで、失点も少なくなった(昔16失点、現在11失点)。
今のレスターがランキング2位であるのは、リバプールの圧倒的な強さのせいです。昔のレスターが今の勝ち点を持っていれば、余裕を持ってランキングのトップに立っていた。しかし、今のレスターとリバプールの勝ち点差は10。クロップ監督のチームを超えるのはかなり難しい…。
しかし、アーセナルやユナイテッドなど、他のトップチームの不調を見れば、レスターは最後まで上位である可能性が高いと思われる。そして、難しくてもちょっとした奇跡が今年も起こるかもしれません…。
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