12月5日のマージーサイド・ダービー(リバプール対エバートン)の大敗後、エバートン指揮官マルコ・シウバの解任報道がメディアを駆け巡った。あれだけの戦力を保有しながら降格圏を右往左往する戦いぶりに、上層部も我慢ならなかったようだ。
確かに客観的な視点を持つと、エバートンの若手・中堅・ベテランのチームバランスと戦力はビッグ6と呼ばれるプレミアリーグの6強(マンチェスター・シティ、リバプール、チェルシー、トッテナム、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッド)に匹敵する水準にあり、ヨーロッパのコンペティションも近いと予想していたが、それでもうまくいかないことにフットボールマネジメントの難しさを覚える。
思えば、エバートンの監督交代のきっかけは大半のケースは「成績不振」であるように考える。そこでここでは歴代のエバートンの監督たちのデータをご紹介していきたい。ある程度の時代錯誤を生み出さないために、今回は過去5人のエバートンを率いた監督で比較した。
対象監督
- デビッド・モイーズ(2002-2013)
- ロベルト・マルティネス(2013-2016)
- ロナルド・クーマン(2016-2017)
- サム・アラダイス(2017-2018)
- マルコ・シウバ(2018-2019)
戦績比較
- デビッド・モイーズ:勝219、分133、負164
- ロベルト・マルティネス:勝62、分37、負44
- ロナルド・クーマン:勝24、分14、負20
- サム・アラダイス:勝10、分7、負9
- マルコ・シウバ:勝25、分11、負25
上記は5人の戦績を比較したものである。このデータからも、マルコ・シウバの不振というものは浮き彫りになった。昨シーズン終盤にはホームでの力強さを発揮し、アーセナルやマンチェスター・ユナイテッドといった強豪を次々になぎ倒した時期がどうしても霞んでしまう。
ロナルド・クーマン、サム・アラダイス、マルコ・シウバの3人は勝ち越しがあまりできていないのに対し、デビッド・モイーズ、ロベルト・マルティネスは勝ち星を積み重ねた格好である。
勝率と平均勝ち点
- デビッド・モイーズ:42.4%、1.53
- ロベルト・マルティネス:43.4%、1.56
- ロナルド・クーマン:41.3%、1.48
- サム・アラダイス:38.5%、1.42
- マルコ・シウバ:41.0%、1.41
こちらは5人の勝率と平均勝ち点となる。マルコ・シウバは勝率はサム・アラダイスよりも高いものの、平均勝ち点は過去5人で最も低い結果となった。今シーズンの不調の原因は引き分けに持ち込めずに敗戦を喫する試合が多かったことが挙げられるだろう。
反対に過去5人の監督の中でロベルト・マルティネスが勝率・平均勝ち点ともに最も高かった。
💙 | And what a moment for Duncan Ferguson. He salutes the sold out crowd as they sing his name. #EVECHE
— Everton (@Everton) December 7, 2019
Oh, Everton. 💙 pic.twitter.com/gqbqqRdgdZ
マルコ・シウバの解任を受け、前節からダンカン・ファーガソンがエバートンを指揮することになった。初戦となるチェルシー戦では、ファーガソンの現役時代のようなアグレッシブさを継続させ、3-1でデビュー戦に花を添えた。ここから公式戦はマンチェスター・ユナイテッド、レスター・シティ、アーセナルと続いていくが果たしてエバートンは上昇気流に乗ることができるだろうか。
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