2019年の夏に日本で行われたラグビーワールドカップで、初めて「マクロン」というブランドを知った方は多いでしょう…。実はラグビー日本代表がグループステージで倒したライバル、スコットランド代表がこのユニフォームブランドと契約している。
日本であまり知られていないこのブランドは、今ヨーロッパで一番有名になりつつある。ラグビーの代表チームで、このブランドのユニフォームを使っているのはスコットランド代表だけではない。イタリア代表、ドイツ代表、そしてポルトガル代表もマクロンのクライアントです。
サッカーの世界でもマクロンは有名であり、セリエ、プレミアリーグ、リーガ・エスパニョーラなど、ヨーロッパリーグの1部と2部で238クラブを支えている。ヨーロッパでマクロンよりクラブとの契約が多いブランドは、ナイキとアディダスのみです。
しかし、マクロンはサッカーやラグビーのユニフォーム製作会社として生まれたわけではない。1971年にイタリアで設立され、アメリカからイタリアに野球道具を輸入する小さな輸入専門企業として生まれた。そして、その小さな企業が現在、大手ブランドと同等に勝負している。
マクロンと契約しているクラブ
イタリアのボローニャで生まれたマクロンは、セリエAでは他の会社より多くのクライアントを持っている。地元のボローニャはもちろん、現在はカリアリ、ラツィオ 、スパル、ウディネーゼ、そしてヴェローナとも契約している。
海外でもスポルティング・リスボン、レアル・ソシエダ、レッドスター・ベオグラードなど、有名なクラブのユニフォームを製作。その中でも一番収入につながっているのは、イングランドのクラブ。例えば、ノッティンガム・フォレストやミルウォール…。例えそんなにいい成績を出してなくても、販売されるユニフォームの数はすごいと言われている。
マクロンが初めてユニフォーム製作に挑んだのは2001年。同じ街のクラブのボローニャと初めてコラボを考えてから既に18年経っているが、それはいまだに続いている。そして、今シーズン冨安が着ているユニフォームは日本でも販売されている。
この会社が有名になり始めたのは2016年のユーロ(UEFA欧州選手権)の最中だった。史上初のユーロ出場を決めたアルバニア代表がマクロンのユニフォームを着て戦ったことで国際的なイメージアップになり、有名なクラブの注目を浴び始めた。
現在、マクロンの75%のスポンサーシップがサッカーのクラブ。その他の収入はラグビーと他のチームスポーツからとなっている。2018年の売り上げは9780万ユーロ(約117億5,000万)であり、前の年の売り上げと比べて18.3%アップした。
マクロンの成功の秘密
この会社の成功の秘密はフレキシビリティーにあると言われている。世界中の他の有名な企業には基本となるカタログがあり、そこからクラブはユニフォームの色やロゴなどを選ぶ。しかし、マクロンはクラブごとに専用のデザインを考える。そのため、各クラブが持っているキットはオリジナルの宝物になる。
ゼロから一つのデザインを考えるには1年ほどかかるので、夏には既に1年後のシーズンのユニフォーム計画が始まる。最初にクラブとマクロンが打ち合わせし、マクロンはクラブの希望を色々聞くそうです。その後、いくつかの案を出し、クラブはその中から一番好きなデザインと素材を選ぶ。
料金によるわけではなく、全てのクラブがこのプロセスを経るそうです。
2019年はFIFAと強大な契約
マクロンの歴史の中でも一番強大な契約が今年結ばれた。UEFAの大会でレフリーが着る全てのユニフォームがマクロンのものになった。
これからサッカー界で、この会社に気づかない方はいなくなるだろう。今から2022年ワールドカップまで、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ、ユーロ、ユースの大会など、どのレフリーがテレビに映ってもマクロンのロゴが見えてくるはず。
これをきっかけに、マクロンは新しい本社も作る予定。これから日本も含めて、世界の様々な国とのコラボレーションも期待できる。
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