セリエA第21節、ホームでのナポリ戦を0-0で引き分けたミラン。勝ち点48を稼ぎリーグ2位に位置するクラブに対して、自分たちのスタイルを見せようとチャレンジしなが戦えたことはプラスに働くはずだ。スタッツで見てもシュート数は14で並び、支配率でも圧倒されることはなかった。今回は少しづつ改善を見せているミランのチャンピオンズリーグ(CL)復帰に現実味が帯びている5つの理由をご紹介する。
ルーカス・パケタの加入
パケタの加入により、ミランの攻撃はかつての退屈な姿から生まれ変わろうとしている。彼が効果的に最前線と絡みながら、最後の局面ではディフェンダー間やスペースにするするっと入っていくことで、攻撃に迫力と怖さが生まれている。彼の課題はロストの質の悪さと素早いプレッシャーに対応できていないことの2点。ここさえ改善されれば、セリエAでも屈指のMFとなるだろう。
チャルハノールの復調
ミランの攻撃がスムーズになった要因の1つにチャルハノールの復調がある。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』はナポリ戦の採点で最低評価を彼に与えたが、いささか浅はかな評価点のつけ方と言えるだろう。細かいプレーの精度を欠くことはあったが、彼があらゆる場面に顔を出し、長短のパスでリズムを生んでいたことは間違いない。プレーの精度さえ上がれば、より恐ろしい存在となるだろう。
ピョンテクの加入
ナポリ戦で途中出場し、約26分間プレーしたクシシュトフ・ピョンテク。彼の才能やモチベーションを感じ取るには26分間は十分すぎる時間だった。体格的にパトリック・クトローネよりもゴールへ向かっていく勢いに怖さがあり、ディフェンダーとして厄介な選手だろう。クトローネの少々お粗末なポストプレーの質を考えると、彼との2トップも十分選択肢になり得る。どのような形であれ、チームに良い影響を与えることは間違いなさそうだ。
トランジションの早さ
これまでのミランはトランジション(切り替え)にスピード感がなく。特に守備から攻撃のトランジションの遅さが、攻撃の停滞感を生み出していた。しかし、前述したようにチャルハノールがあらゆる局面で顔をだし、そこにパケタなどが素早くサポートに入ることで、攻撃のスピード感が格段に上がっている。シーズン序盤以降は落ち込んでいる得点力も、徐々に改善していくだろう。
バカヨコ&ケシエ
ティエムエ・バカヨコとフランク・ケシエの2選手が中盤にいることで、対戦相手は中央からの攻撃の選択肢を減らされていると言っても過言ではない。マレク・ハムシークが不在だったとはいえ、ナポリという高いレベルにあるクラブでも、その部分を突破することはできなかった。単純な身体能力と守備力だけでなく、インテリジェンスも兼ね備えつつある両者の存在はミランにとって大きな助けとなるだろう。
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