公式戦4試合で1得点と勝ちがないミラン。リーグ戦だけで言えば、3試合連続無得点とシーズン序盤の攻撃力は見る影もない。今回は、そんな苦しむミランが抱える5つの重大な問題をご紹介する。
スソ依存とその弊害
シーズン序盤にミランが得点を重ねられていた要因に、スソが好調だったことがある。アシストランキングでも8アシストを記録し、首位に立っている。しかし、そのスソが最後にアシストを記録したのは1ヵ月以上前の11月5日に行われたウディネーゼ戦だ。現に、彼のアシスト数が減ってからミランの得点力は著しく低下している。彼がチームの中心にいるミランだが、彼に依存しすぎていたことでその弊害に悩まされている。ただ、今のミランの中で、スソが及第点の活躍を見せている数少ない選手であることも事実だ。
攻撃の形が0に等しい
今のミランにはこれといった攻撃のパターンがない。昨シーズンまでは、縦に素早くボールを運んでサイドに展開し、クロスから得点という形があったがそれすらもない。のんびりとボールを回して「崩し」と呼ぶのもはばかれるようなプレーからゴールを狙うだけだ。それでは相手の守備陣にとって大きな問題にはならない。チームが1つの方向を向けるような攻撃の形を再確立する必要があるだろう。FWがシュート体勢に入れる攻撃の仕方ができていないので、いくらゴンサロ・イグアインであってもゴールは生み出せない。
進まないFW補強
ミランの2トップが機能していない1つの要因に、後半以降バテたイグアインのボールを引き出す動きが減り、起点を作れていないということがある。特に、フィオレンティーナ戦のように後半から2トップ気味にした際には、怖さは半減するだろう。そのためにも3人目のストライカーが必要だ。しかし、現実はズラタン・イブラヒモビッチに振られ、アレシャンドレ・パトは中国に幽閉と全くもって話しが進んでいない。マンチェスター・ユナイテッドのマーカス・ラッシュフォード獲得に動いているという報道もあるが、噂のレベルを出ないだろう。冬に移籍市場はレンタルで選手を獲得するパターンが多く、交渉が長期化しがちだ。セリエAの冬の移籍市場は1月30日まで延長されることになったが、それでも移籍市場が始まる前にはある程度、話を具体化しておく必要があるだろう。
サポーター
不調は続くミランだが、フィオレンティーナ戦には5万人を超えるサポーターが集まるなど、集客は悪くない。しかし、サポーターも我慢の限界が来ているようだ。フィオレンティーナ戦終了後にサポーターがスタンドにとどまり、チームに対して抗議を行ったようだ。2012年のようにスタジアムからサポーターが離れてしまう前に、チームとしての活気を取り戻す必要があるだろう。
ガットゥーゾの限界
フィオレンティーナ戦でジェンナーロ・ガットゥーゾはフランク・ケシエ、ティエムエ・バカヨコという中盤の核となる2選手を出場停止により起用できなかった。その状況をガットゥーゾはダビデ・カラブリアをインサイドハーフで起用するという冒険で乗り切ろうとした。彼には縦へのスピードや、運動量もあるので若干の可能性はあったが、あえなく失敗している。失点シーンはカラブリアが簡単にフェデリコ・キエーザにはがされたところで勝負ありだった。また、攻撃の形が0に等しいといった部分も改善が見られない。このままでは彼が現役時代にミランで築いた栄光を汚すことになる可能性も0ではないだろう。
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