大会:セリエA
カード:ラツィオvsフィオレンティーナ
スコア:1-0
担当医:菊池大将(@yukkenokonoko)
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審
マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):チーロ・インモービレ
決して多くはなかったチャンスの中で、セットプレーからしっかりと決勝点を挙げた。おそらくサインプレーだが、得点時のポジショニングは流石。あの動き出しをディフェンダーが捉えるのは難しい。フェリペ・カイセドがベンチに下がっても左右に動きながらボールを引き出してカウンターを成立させた。
ザ・ハード・ワーカー(THW):マルコ・パローロ
まさに縁の下の力持ち。豊富な運動量で攻守に大きく貢献した。ゾーンとマン・マークの複合で守るラツィオが、フィオレンティーナにスペースを与えにくかったのは彼の存在が大きい。途中出場のエジミウソン・フェルナンデスを試合終了近くまで抑えこんだ。
モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP):マルコ・ピアツァ
ドリブルで局面を打開し続けたフェデリコ・キエーザに対して、ほとんど何もできなかった。アダム・マルシッチとの1対1には負け続け、逆サイドに移った際にも、シュテファン・ラドゥとセナド・ルリッチに抑え込まれた。
ラツィオの攻撃vsフィオレンティーナの守備
3バック+ルーカス・レイバでビルドアップを仕掛けるラツィオに対して、フィオレンティーナは高い位置からプレス。ショートカウンターのチャンスを作り出した。ラツィオのボール保持時はフィオレンティーナは4-4-2の守備ブロックで応戦。ラツィオはセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチを組み立てに参加せることで、サイドへのパスコースを確保。ルリッチが常に高い位置を取ることで、左サイドでの主導権を握った。
また、ハイプレスに対してはフェリペ・カイセドへのロングボールも効果的で、これがカイセをスタートで起用した理由ろう。先制点のセットプレーはラドゥの素晴らしいマークの外し方とインモービレのポジショニングが光った。マンマーク気味に守っていたフィオレンティーナだが、対応は難しいものがあっただろう。ただ、マルコ・ベナッシはラドゥに食いつかなければいけない場面だった。
後半はカイセドを下げたことで、昨シーズンのラツィオらしいショートカウンターを主体とした攻撃に。前半は組み立てにも参加していたインモービレはサイドに流れてボールを引き出した。点を取たなければいけないフィオレンティーナは高い位置から奪い返しに行き、縦パスに対して前に入るディフェンスへとシフトした。
フィオレンティーナの攻撃vsラツィオの守備
クリスティアーノ・ビラーギを高い位置に挙げて、2CB+ニコラ・ミレンコビッチでビルドアップを行ったフィオレンティーナ。2トップのラツィオ対策だろう。キエーザを組み立てに参加させながら、スペースとパスコースを上手く消してくるラツィオに対抗。
ラツィオに対しベナッシを絡めてハイプレスから決定機を作ることに成功したフィオレンティーナだったが、シュートの精度には最後まで泣くことに。ラツィオはショートカウンターに対して完全に後手を踏んだ。
先制されて以降は3バックだったビルドアップを2バックに変更。中盤での数的有利と、サイドでの数的有利を作り出しに行ったが、ラツィオもスペースとマークを受け渡しながら柔軟に対応。ラツィオはエリア内でスペースを与えないディフェンスに移行し、サイドを変えてきたキエーザに対しても、ルイス・フェリペを投入し対策。最後はバロン・ベリシャを投入して試合を終わらせた。フィオレンティーナはフェルナンデスの投入で、スペースで受ける動きを増やしたかったが、それが増えたのは試合の終盤だった。
ラツィオ監督:シモーネ・インザーギ
フィオレンティーナのハイプレスに戸惑う場面もあッたが、セットプレーから先制に成功すると、ステファノ・ピオリの仕掛けに対して冷静に対応。おそらくハイプレス対策に起用したカイセドも機能した。試合の終わらせ方をよく理解している監督だ。
フィオレンティーナ監督:ステファノ・ピオリ
ビルドアップ時の工夫や、ラツィオの弱点を突く攻撃など得点の匂いを感じさせながらも無失点。監督としては、1点でも取ってほしい内容だっただけに難しいところだろう。手札のカードを順番に切りながら、状況の打開を狙ったが及ばなかった。
主審:ダニエレ・オルサート
際どい判定や、判断の難しいプレーの多かった試合を冷静に裁ききった。また、接触の多い試合で選手のボルテージも挙がっていたが、そこまで荒れた試合にさせなかった点も流石はオルサート。ルリッチへのイエローカードが厳しいという意見も出そうだが、パスモーションに入っている選手に対して、ボールではないところにタックルに行っているため妥当だろう。
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