Jリーグ V・ファーレン長崎

Jリーグ史上最も熾烈な残留争い。各クラブの現状は?

加藤望

 さらに下の順位ではより熾烈な残留争い

 そして、ホームゲームで恐ろしいまでに勝てていない柏レイソル。監督が代わっても改善は全く見られず、サガン鳥栖との重要な試合で多くのチャンスを作りながらも引き分けに甘んじた。両者ともに勝ち点30で並んでいるが、鳥栖は昨シーズンの最後4試合で負けておらず、金崎夢生とフェルナンド・トーレスのデュオもポテンシャルを出し尽くしていない。ディフェンス面はかなり改善され、権田修一のパフォーマンスは決定的だった。

 勝ち点1差でその上に立つのが名古屋グランパスと湘南ベルマーレだ。湘南は降格候補の一角と見なされていたが、下位3クラブからは脱している。湘南の武器は2012年からチームを率いるチョウ・キジェ監督とCBの坂圭祐、左ウイングの杉岡大暉、MFの金子大毅や齊藤未月といったところだろう。今のところ降格候補とは言い難い湘南だが、どのような結果になってもおかしくはない。

 名古屋グランパス(勝ち点31)と横浜F・マリノス(勝ち点32)は残留のために火力に頼っている。両者ともオープンかつ美しいサッカーを標榜し、ディフェンス面は最悪だがオフェンス面では最高のものを見せている。名古屋は川崎フロンターレに完敗し2連敗となったが、先週は強さを見せつけている。マリノスのはジュビロ磐田と俊輔ダービーに勝利し、勝ち点さでジュビロにプレッシャーを与えることができた。もちろんもう一つの静岡に本拠地を置くエスパルス(勝ち点34)も安心してはいけない。

 最後にヴィッセル神戸。彼らは浦和に0-4で敗戦し、勝ち点36のままに。数週間前までACL出場権を狙っていたクラブは、残留争いという現実に引き戻されている。

 このような狂ったシーズンで確実性のあることを言うのは非常に難しい。ただ、1つだけ言えることがあるとすれば、「神戸よりも下位にいるクラブは町田ゼルビアとプレーオフを戦いたいと思っているはずだ」ということだろうか。

著者:チアゴ・ボンテンポ

1985年生まれのブラジル人ジャーナリスト。サンパウロ在住。幼少期よりスポーツとりわけサッカーを愛する。大学時代にジャーナリズムを専攻し2011年よりブラジル『Globo Esporte』で日本サッカーを担当している。ブラジルのボタフォゴ、アーセナル、そして日本代表の熱烈なサポーターである。将来の夢は日本語を流暢に扱うこと、富士山登頂、Jリーグスタジアムを巡ること。

Twitter: @GunnerTNB

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名前:菊池大将
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