ロシアワールドカップも残すところ3位決定戦と決勝戦のみとなった。大会最優秀選手に与えられる「アディダス・ゴールデンボール」は、記者による投票によって選出され、受賞者にはボールを模った金色のトロフィーが贈られる。ゴールデンボール賞の選考投票は決勝戦よりも前に行なわれるため、必ずしも優勝チームから受賞者が出るとは限らないのだ。今回は英誌『Four Four Two』による「ワールドカップ大会最優秀選手ワースト5」をご紹介しよう。
1982年大会:パオロ・ロッシ
パオロ・ロッシはスペイン大会で6得点を記録し、大会得点王に輝いた。しかし、ブルーノ・コンティこそ大会最優秀選手にふさわしいプレイヤーだったといえる。ブラジルの小さなウインガーは、ポーランドの選手たちが密集するエリアで素晴らしいプレーを見せ、ペルー戦でもゴールを記録。パオロ・ロッシよりもクオリティの高いパフォーマンスであったと評価すべきだ。
1998年大会:ロナウド
バルセロナからインテルへの移籍騒動で注目を集めたロナウド。準々決勝デンマーク戦での2得点を含む大会通して4ゴールを記録した。しかし、決勝戦でブラジルはフランス相手に3-0と完封負け。ロナウドは何もさせてもらえなかった。ブロンズボール(大会最優秀選手投票3位に送られる賞)に選出されたリリアン・・テュラムの方が相応しい活躍と言えるだろう。
2002年大会:オリバー・カーン
2002年大会のドイツは決勝に至るまでの6試合でわずか1失点。守護神のオリバー・カーンは素晴らしい活躍を見せていた。決勝前に行われるゴールデンボールの投票でカーンは25%の票を、ロナウドは21%とわずかな得票差でカーンが選出されている。しかし、決勝戦ではカーンの守るゴールマウスを2度もロナウドが打ち破り、ブラジルが優勝。大会後の投票であれば、ロナウドが大会最優秀選手に選出されていただろう。
2006年大会:ジネディーヌ・ジダン
決勝戦でイタリアはフランスに勝利した。ハイライトはジネディーヌ・ジダンがマルコ・マテラッツィに頭突きしたシーンだろう。現役最後の試合で一発退場となってしまった。大会終了後にゴールデンボールを選出したのなら、イタリアの主将ファビオ・カンナバーロが相応しかっただろう。相棒CBアレッサンドロ・ネスタを欠きながら、堅守を貫いて優勝に導いた功績は評価されるべきだ。
2014年大会:リオネル・メッシ
決勝戦でアルゼンチンはドイツに敗戦。ディオゴ・マラドーナは「私は天と地をレオに与えても良いと思うが、マーケティングの人々が彼に与えるべきでないものを与えるならば、それは不公平だ。彼もそれを望んでいないはずだ」と述べている。大会最優秀選手に相応しい活躍を見せたのはブロンズボールに輝いたアリエン・ロッベンだろう。ブラジル戦で見せた素晴らしいプレーは評価に値する。
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