日本時間12日に行われたロシアワールドカップ準決勝、イングランド代表対クロアチア代表の一戦は、延長戦までもつれ込む死闘を制したクロアチアが初の決勝進出を決めた。そこで今回は、日本代表との思い出も持つクロアチア代表のW杯決勝までの道のりを紹介する。
クロアチア代表の成立
1991年にユーゴスラビア社会主義連邦共和国から独立したクロアチア共和国。しかし、サッカーの代表チームは1990年から活動していた。
初出場の1998年
2年前の欧州選手権で初の主要な国際大会にデビューしたクロアチアは、1998年のフランス大会でW杯初出場を果たす。グループステージでは日本代表とも戦い1‐0で勝利を収めた。エースのダボール・シューケルがこの大会の得点王に輝く活躍を見せ、3位に輝いた。
日韓W杯
2大会連続出場を果たしたクロアチアは、2002年のW杯でイタリア、メキシコ、エクアドルと同じ組に入る。新潟で行われた初戦のメキシコ戦に負け、続くイタリアとの試合に勝利を収めたものの、3戦目のエクアドルにまさかの敗戦を喫して大会を去った。
日本代表と2度目の対戦
クラニチャール親子がチームを牽引した2006年W杯当時のクロアチア。グループステージで再び日本代表と対戦し、両者にとって痛い0-0の引き分けに終わった。最後のオーストラリア戦にも勝つことができずに、2大会連続でグループステージ敗退に終わった。ちなみにロシアW杯でキャプテンを務めるルカ・モドリッチは、この大会から代表に選ばれている。
初の予選敗退
世代交代が行われた2010年W杯は、ヨーロッパ予選でイングランド、そして最終的に競り負けたウクライナと同組に入り、下位のチームに取りこぼすことはなかったものの、主力の怪我などの影響もあり、イングランドに1-4、1-5の大敗を喫するなど、上位2チームに勝つことができずに、建国以来初めてW杯出場を逃す結果となった。
光が見え始めた2014年
開催国ブラジル、メキシコ、カメルーンと同組に入ったクロアチアは、西村雄一主審が担当した開幕戦でブラジルに1-3で敗戦。2戦目のカメルーン戦には4-0の大勝を収めたが、勝負の3戦目でメキシコに1-3の敗戦。またもやグループステージでW杯を後にした。しかし、この当時のメンバーのほとんどが2018年のロシア大会にも出場しており、チームとして成熟する過程にあったことがうかがえる。
今大会グループステージを全勝
今大会は、アルゼンチンを筆頭に、ナイジェリア、そして欧州予選で敗れたアイスランドと同組の“死のグループ”と呼ぶにふさわしいグループステージで抜群の安定感を発揮。開幕戦でナイジェリアを危なげなく退けると、2戦目のアルゼンチンを3-0で粉砕。決勝トーナメント進出を目指すアイスランドの激しい抵抗を受けながらも3戦目でも勝利を収め、グループ1位で突破を決めた。
2連続PK戦にもつれ込んだ決勝トーナメント
決勝トーナメント1回戦の相手は実力者デンマーク。グループステージでは守備的に戦っていた北欧のチームだったが、クロアチアを相手に攻勢に出る。激しい試合はPK戦にもつれ込み、GKダニエル・スバシッチの活躍で何とか競り勝った。
準々決勝では今大会最大のサプライズを提供した、開催国ロシアと対戦。先制される苦しい展開の中で同点に追いつき延長戦に。ドマゴイ・ビダのヘディングで一時はリードするも延長後半に追いつかれて2戦連続でPK戦へ。相手の失敗もあり、1998年以来の準決勝進出を決めた。
イングランドを延長戦で破り決勝へ
決勝トーナメントでコロンビアとスウェーデンを破って準決勝に駒を進めた、イングランドと対戦した準決勝。準々決勝に続いて前半に先制される嫌な流れに。それでも後半イバン・ペリシッチのゴールで追いつくと、延長戦に入った試合は、ここまで1ゴールしか挙げられていなかったストライカー、マリオ・マンジュキッチが延長後半に、一瞬のスキをついて値千金の決勝ゴールをゲット。そのまま守り切ったクロアチアは同国史上初の決勝進出を決めた。
コメントランキング