ワールドカップ 代表チーム

世代交代がテーマとなる日本代表に求められる“自信”の引き継ぎ

長谷部誠(右)、柴崎岳(中央)、昌子源(左) 写真提供:Getty Images

 今回31歳の長友佑都が「おっさんおっさん言われたので」と周囲の不安を吹き飛ばすようなハードワークで4試合フル出場を果たしたように、年齢で全てを決めるべきではないが、やはり今回のメンバーが4年後には4年歳をとる現実を受け止める必要はある。23人の平均年齢は28.3歳で32ヶ国の中では8番目。だがグループリーグ3戦目のポーランド戦をのぞき固定的に起用されたレギュラーに絞ると29.2歳になる。

川島永嗣(35) 1983.3.20
酒井宏樹(28) 1990.4.12
吉田麻也(29) 1988.8.24
昌子源(25)  1992.12.11
長友佑都(31) 1986.9.12
長谷部誠(34) 1984.1.18
柴崎岳(26)  1992.5.28
原口元気(27) 1991.5.9
香川真司(29) 1989.3.17
乾貴士(30)  1988.6.2
大迫勇也(28) 1990.5.18

 ポーランド戦以外で途中出場した4選手を加えても変わらない。

本田圭佑(32) 1986.6.13
岡崎慎司(32) 1986.4.16
山口蛍(27)  1990.10.6
宇佐美貴史(26)1992.5.6

 4年後には原口が31歳、柴崎と宇佐美が30歳で、この中では最年少の昌子ですら29歳になる。今回はリオ五輪世代から大島僚太(25)、遠藤航(25)、植田直通(23)、中村航輔(23)の4人がメンバーに入ったが、一度も試合に出ることなく大会を終えた。彼らに加えて国内合宿に招集されたものの23人に残れなかった浅野拓磨、井手口陽介、三竿健斗、さらに有力候補だった久保裕也や中島翔哉といった選手を中心に次の日本代表が構成されて行くはず。

 だが、世代交代のサイクルというのはさらに若い選手の台頭も必要とする。堂安律や三好康児、中山雄太といった東京五輪世代の中核を担う選手たちはもちろん、久保建英を筆頭とした4年後に20歳前後になる選手たちにもチャンスはある。今回U-19代表は合宿地のカザンで日本代表とゲーム形式の練習を行い、A代表のスピードや強さを体感した。彼らがW杯の経験をそっくりそのまま引き継ぐことはできないが、今回の大会で日本代表が示した可能性をひとつのイメージとして引き継ぎながら、さらに伸ばせる部分にチャレンジしていく流れを期待したい。

著者:河治良幸

サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを担当。著書は『サッカー番狂わせ完全読本 ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)など。Jリーグから欧州リーグ、代表戦まで、プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHKスペシャル『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才能”」に監修として参加。

Twitter:@y_kawaji

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