ベスト8の壁はまたしても破れなかった。しかし、後半の立ち上がりに良い流れを作り、鮮やかなカウンターから原口元気、積極的に攻めたセカンドボールから乾貴士が見事なシュートを決めて2点をリードしながら、目の色を変えてきたベルギーのパワープレー気味の猛攻を防ぎきれずに追いつかれ、2-2で延長戦に突入する間際にCKの裏から「スーパーカウンター」(西野朗監督)を決められ逆転負けとなった。
「日本というチーム、国がある程度チームの形も出せましたし、特に攻撃面ではポジティブな要素があった半面、守備ではやはり4試合連続で失点している事実もあります。それはDFラインだけのせいではなくてチーム全体の問題だと思っている」
中盤から攻守をコントロールした柴崎岳もそう語るように、チームとして日本が持つコンビネーションやクイックネスの良さを出しながら、状況に応じてポゼッションとカウンターを使い分けるなど、4年前の”自分たちのサッカー”とは違う対応力もある程度は発揮できた。それでもベルギー戦で言えば相手がフェライニとシャドリを同時投入してサイドからハイボールを上げてくるような変化に対しては西野監督の采配を含めて跳ね返すことができなかった。
そうした課題をこの先にどうチームとして次につなげて行くかが問われるが、世代交代という重大なテーマに向き合っていかなければならない。2010年からチームのキャプテンだった長谷部誠が代表引退を表明し、主にサブながら2大会にわたりチームを支えた27歳の酒井高徳も4年後のカタールを目指さないことを明言。南アフリカ大会からチームの中心だった本田圭佑も2022年のカタールを目指さないことを示唆している。ブラジルとロシアで10番を背負った香川真司は「今は何も考えられない」と語り、代表引退こそ示唆ていないものの、このロシアにかけてきて、さすがに33歳で迎える4年後を思い描くことはできていない様だ。
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