そして元日本代表指揮官は、その日本文化がベルギー戦の敗戦とも関係していると指摘した。
「彼らがW杯を去ってしまったのは残念だよ。敗退するには値しなかった。ベルギー最高の選手たちをコントロールし、本領を発揮させていなかった。残念ながら、結局日本は非常にナイーブだった。なぜなら『マリツィア』というのは彼らの文化、DNAには存在しないからだ。戦術的なファウルが必要だったかもしれないが、こうしたことは彼らは考えない」
日本ではポルトガル語で知られる「マリーシア」(イタリア語ではマリツィア)は「ずる賢さ」と解釈されることが多いが、同時にそれは自己の利益のために相手に害を与える行為であり、勝利という目標を達成するために相手を出し抜くことでもある。言葉本来の意味は「悪意」に近い。
「ベルギー戦の間、私は日本を応援し勝利を願っていた。ほとんど全ての選手を知っているから、まるでベンチで指揮を執っているような気分だったよ。彼らのプレースタイルは私の時代と同じで、マリツィアの欠如も同じだ。それはブラジル(2014年W杯)でも我々の敗因だった」
この言葉で思い出したのは、イタリア紙『ラ・レプッブリカ』が3日に掲載したコラムだった。その中では上述のロッカールームの写真を含め、日本代表とサポーターの潔い態度の素晴らしさが述べられている。
「もし私たちが毎日30分、あるいや15分や10分だけでも日本人のように振る舞えたら、どんなに良いだろう。ありがとうと言い、まじめで情熱的で、過剰反応することがなかったら。つらい結果を静かに受け止めることができたら…」
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