代表チーム ワールドカップ

不必要な細工と消極的な戦術で道が閉ざしかけた西野ジャパン

著者:チアゴ・ボンテンポ(翻訳者:土屋一平)

 西野ジャパンは目標を達成したが…

 ワールドカップ史上初めて、ひとつの国がフェアプレーポイントによって決勝トーナメントに進出した。日本とセネガルはグループHの2位につけ、すべての面で横並びになった。勝ち点4、4ゴール、4失点、得失点差0。彼らは直接対決でも引き分けていた。日本代表は、セネガル代表が6枚のイエローカードを受けていたのに対し、4枚しか提示されていなかったことによって、グループステージ突破を決めたのだ。皮肉にも、日本は「フェアプレー」とは正反対の行動をとって決勝トーナメント進出を決めた。セネガルが負けていたことにより、そのままの状況であれば突破が決まる日本は、最後の10分間、自陣でパスを回してただ試合終了の笛を待っていた。

 一方で、日本はルールの範囲でできることはすべてやり、“純真な”振る舞いは避けた。もしも攻撃を続け、もう1失点していれば敗退していた。私たちはそのような場面をすでにJリーグで観ている。一方のチームが勝っているにもかかわらず最後まで攻め続け、その結果同点に追いつかれるか逆転される。そして“大人になれ”と批判されるのだ。

 プロの世界では結果がすべてだ。他のチームも同じ状況に置かれれば、同じことをするだろう。このようなことがW杯起こったのは初めてではない。日本代表にはロシアへ行く際に「グループステージ突破」という目標があった。そして彼らはそれを達成した。その一方で、日本はスコアボードに映る「0-1」という結果以上のものを失った。中立のファンからの共感や、それに加えて彼らのサポーターを失望させた。評判にキズを付けたのだ。

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