代表チーム セネガル代表

【独占コラム】セネガル人記者が語る日本代表戦

セネガル

セネガル代表の選手たち 写真提供:Getty Images

 引き分けをポジティブにとらえるセネガル

 セネガルの選手たちはドローというこの結果をポジティブにとらえているようだ。「日本がいいチームであることを忘れてはいけないよ。コロンビアに勝っているんだから。グループHでトップのチームのひとつと言っていい」の雇用に語った、チームの中心的選手であるディフェンダーのカリドゥ・クリバリは満足感を示した。2点目を決めたワゲは決勝トーナメント進出を、決定づける勝ち点3を獲得できなかったことに後悔をにじませ「でもこれがフットボールだよ。次のコロンビア戦でより良いパフォーマンスをするよ」と語った。

 全てのセネガルの選手たちがこの試合に勝てば決勝トーナメント進出に大きく前進することを理解していた。ポジティブなことは彼らが負けなかったことだ。スポーツ省の大臣も「悪い結果ではなかった。ワールドカップに小国など存在しないのだから」と語り、結果が良いものであったことを認めた。セネガルサッカー協会の会長もある程度の満足感を示してこう語った。「もちろんこの試合に勝利して決勝トーナメント進出を決めたかったが、日本は初戦に勝利しているので難しい試合だったし、両者ともに勝ち点3に値した。だから悪い結果ではない。次の試合でより良い試合をして次のラウンドに進みましょう」

 日本もグループステージ突破を夢見ている。西野監督は選手たちが個性と意欲を見せたことで、この引き分けに対して誇りを持っていると語った。ボルゴグラードで行われるポーランドとの試合の前に良いシグナルを見られたと感じているようだ。「私たちはまだグループ首位にいる。もしも首位でグループを通過したければ、次の試合で勝たなければいけない」と彼は語った。

 両国は今現在運命に直面している。日本にとってもセネガルにとっても、次の試合は“決勝戦”なのである。しかし私の見解では、サムライブルーの方がテランガライオンズよりも勝ち抜ける可能性が高いとみている。日本の3戦目の相手はここまで1ゴールしか決めていないポーランドであり、セネガルはポーランドを粉砕した非常に優れたチームであるコロンビアと戦う。彼らが日本戦で混乱させられたのは、カルロス・サンチェスが試合開始早々に退場したからにすぎないだろう。

 とにかくサッカーはサッカーであり、どんなことでも起こりうる。この大会でもたびたび目にしているように。

取材:ダン・オルロウィッツ

著者:エンディアイェ・カリファ

現在61歳のセネガル人のジャーナリスト。セネガル国内の新聞レ・ソレイユ紙のスポーツ部長を20年間と務めている。1998年からすべてのワールドカップを取材。

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