サッカー選手には複数の国籍を持った選手が多く存在する。バルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシもスペイン国籍を持っている。これは各国リーグ戦の外国人選手枠への対策を兼ねている。しかし、中には生まれのルーツや政治情勢などでプレーする代表チームを変えた選手が存在する。そこで今回は2つの国を背負ったサッカー選手10選をご紹介する。
ロマン・ノイシュテッター
国籍:ロシア
所属クラブ:フェネルバフチェ
ポジション:DF
プレーした代表チーム:ドイツ、ロシア
ボルシアMG、そしてシャルケでの活躍が認められたノイシュテッター。オランダとの国際親善試合でドイツ代表デビューを果たした。しかし、EURO2016へ向けドイツ代表から遠ざかっていたノイシュテッターに目を付けたロシアサッカー連合からロシア代表入りを打診され、本人もこれを承諾。2016年6月1日、チェコ戦でロシア代表として代表デビューした。
マリオ・レミナ
国籍:ガボン、フランス
所属クラブ:サウサンプトン
ポジション:MF
プレーした代表チーム:フランス、ガボン
今夏サウサンプトンにクラブ史上最高額となる2000万ユーロ(ボーナス含む)で加入したレミナは、2013年にフランスU-20代表として年代別W杯に4試合に出場。しかしA代表ではガボンを選択している。
クエンティン・マルティノス
国籍:オランダ、キュラソー
所属クラブ:浦和レッズ
ポジション:MF
プレーした代表チーム:オランダ、キュラソー
横浜Fマリノスで昨季から主力として活躍しているマルティノスは、オランダU-18代表として3試合の出場経験を持つものの、オランダA代表には縁が無かったが、2017年6月にキュラソー代表に選出。CONCACAFゴールドカップ2試合に出場している(なお、2014年のカリビアン・カップからキュラソー代表としてプレー)。
ズドラヴコ・クズマノビッチ
籍:セルビア、スイス
所属クラブ:マラガ
ポジション:MF
プレーした代表チーム:スイス、セルビア
セルビア出身でスイスに出稼ぎで移住した父親を持つクズマノビッチは、スイスU-21代表で4試合に出場した後、2007年にセルビア代表監督のハビエル・クレメンテが同選手を招集したことをきっかけにセルビア代表でのプレーを決断している。
フェレンツ・プスカシュ
国籍:ハンガリー、スペイン
所属クラブ:キシュペシュトAC、ホンベード、レアル・マドリード
ポジション:FW
プレーした代表チーム:ハンガリー、スペイン
FIFAプスカシュ賞の名前の由来でもあるフェレンツ・プスカシュは、19956年のハンガリー動乱を受けてFIFAが当時所属していたホンベードとの対戦を禁止する通達を出すと、亡命を決断。同選手は当時インテルで練習に参加していたものの、ハンガリーサッカー協会からの申し出により2年間の出場停止処分を受け、インテル加入は幻に終わっている。
エドガル・カスティージョ
国籍:アメリカ
所属クラブ:コロラド・ラピッズ
ポジション:DF
プレーした代表チーム:メキシコ、アメリカ
スピード豊かなサイドバックのカスティージョ。彼は両親共メキシコ人で世代別の時代からメキシコ代表でプレーしA代表デビューも飾ったが、生まれはアメリカのニュー・メキシコであった。「出生地主義」であるアメリカの国籍も所有していたこともあり2009年にアメリカ代表入り。2013年のゴールドカップでは優勝メンバーとなった。
チアゴ・モッタ
国籍:イタリア
所属クラブ:引退
ポジション:MF
プレーした代表チーム:イタリア、ブラジル
代表としてはU-23ブラジル代表として2003 CONCACAFゴールドカップに出場した経験があるが、モッタ本人はイタリア代表としてプレーすることを希望していた。祖父がヴェネト州ロヴィーゴ出身の移民で、イタリア国籍も有しているためである。2011年、ドイツとの国際親善試合にイタリア代表として初招集され、先発出場しイタリア代表デビューを果たした。
ミラレム・ピアニッチ
国籍:ボスニア・ヘルツェゴビナ
所属クラブ:ユベントス
ポジション:MF
プレーした代表チーム:ルクセンブルク(ユース世代)、ボスニア・ヘルツェゴビナ
ミラレム・ピアニッチはボスニア第三の都市トゥズラで生まれた。戦火の匂いを嗅ぎ取った両親は、ミラレムが1歳になったばかりの1991年に、幼子の彼を連れてボスニアを脱出した。疎開先はルクセンブルクだった。ユース世代ではルクセンブルク代表としてプレーしたが、その後フランス、イタリアで活躍したピアニッチは、祖国であるボスニア・ヘルツェゴビナ代表を選んでいる。
ジエゴ・コスタ
国籍:スペイン
所属クラブ:アトレティコ・マドリード
ポジション:FW
プレーした代表チーム:スペイン、ブラジル
ブラジル代表としてもプレーした経験を持つジエゴ・コスタは、最終的に彼らからの招集を退け、スペイン代表を選んだ。そもそも彼はブラジル国内でプレーした経験がなく、両国の自身に対する興味を吟味した結果、本当に自身を必要としているのは“ラ・ロハ”(スペイン代表の愛称)の方だと判断したようだ。
ジェラール・ピケ
国籍:スペイン
所属クラブ:バルセロナ
ポジション:DF
プレーした代表チーム:スペイン、カタルーニャ
これまでスペイン代表として90試合以上を戦ってきているピケは、これまでカタルーニャについて言及するたびに批判を浴びている。また2017年10月1日に行われたカタルーニャ独立住民投票では同日に無観客でリーグ戦に臨んだことについて「キャリアで一番ひどい経験だった」とコメント。同選手はその直後にスペイン代表に招集を受けるとファンから侮辱を受け、さらにはレアル・マドリードのDFセルヒオ・ラモスとの関係破綻が報じられるなど話題を呼んでいる。カタルーニャは国として認められていないが、もし独立すれば代表チームをカタルーニャに移す可能性もありそうだ。
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