著者:津田翔汰
4-0。4点以上の点差がローマの地でついたのは決勝でホーム・アンド・アウェイ方式が廃止された2007/08シーズン以降初めてのことだ。イタリア王者ユベントスが名門再建の道半ばにあるミランを下し、見事前人未到のコッパ・イタリア4連覇を成し遂げた。もちろんこの快挙達成にユベンティーニは歓喜に沸いていることだろう。しかしミラニスタをはじめ、好ゲームを望んでいたファンにとっては少し期待していたゲーム展開とは違ったものとなったと感じているかもしれない。
キックオフ前の雨により多くの水分を含むスタディオ・オリンピコのピッチコンディションに関係なく、試合途中まではどちらに流れが来てもおかしくない展開だっただろう。前半はユベントスが4月以降、好パフォーマンスを発揮している前線のタレントが様々なアプローチでミラン守備陣に揺さぶりをかける。その主役は“闘将”ジェンナーロ・ガットゥーゾが前日記者会見で予見していた2人のウインガーだった。
4月以降、好調を維持しているユベントスのドウグラス・コスタ 写真提供:GettyImages
左サイドではブラジル代表FWドウグラス・コスタが得意のドリブルでDFダビデ・カラブリアを自陣に釘付けにするのみならず、スペイン代表FWスソにも守勢に回る意識を植え付けさせる。一方右サイドでは“デルビー・ディ・イタリア”と同様にサイドバックとしてこの大一番でも起用されていたFWフアン・クアドラードがまるで本職をこなしているかのような絶妙なタイミングの攻撃参加を仕掛けると、アルゼンチン代表FWゴンサロ・イグアインではなく、純生の「9」番に抜擢されたクロアチア代表FWマリオ・マンジュキッチへのクロスで決定機を演出する。
一方で個人能力に大きく依存したビアンコネーロの“引き出し”の多さへの対応もあり後手に回らされていたミランだったが、ユベントスのビルドアップの局面におけるミスを見逃すことなく確実にフィニッシュまで持っていくことにより、先制点の機会を虎視眈々(こしたんたん)と窺う。
ガットゥーゾの就任以降鍛え上げられたメンタリティがこの大舞台でも垣間見えたのか、ミランはユベントスに押し込みながらも、自分たちの時間帯を待つべく我慢強く試合を進めスコアレスで前半を終えることに成功。ところが後半、両クラブのティフォージをはじめ、数多くのフットボールファンは思いもよらぬ光景を目撃することとなる。
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