著者:マリオ・カワタ
ディエゴ・オリベイラと永井謙佑の2トップは、今現在J1で最も破壊力のあるユニットと言っても過言ではないだろう。この一週間でともに3失点を喫したサンフレッチェ広島と名古屋グランパスは、それを身をもって体験することになった。
特にそれまで9試合で2回しかゴールを許していなかった広島の堅守を破った攻撃力は、強い印象を残すものだった。立ち上がりの5分にディエゴ・オリベイラが自らの突破で得たPKを決めると、そのわずか4分後には組織的な前線からのプレッシャーでボールを奪い、ブラジル人ストライカーのアシストから永井がゴール。後半にはディエゴ・オリベイラが高萩洋次郎の絶妙なパスに抜け出して、正確なシュートを流し込んでいる。
永井にはスピード、ディエゴ・オリベイラには強さというはっきりとした武器があるが、この2トップが相手にとって大きな脅威となっているのは2人が常に高いレベルの献身性と機動力を見せているからに他ならない。
まず献身性について言えば、象徴的なのは広島戦の2点目のシーンだろう。相手ディフェンスラインがボールを持った段階で、永井が猛然とプレッシャーを掛ける。一度はパスでいなされたものの、その後も継続して圧力を掛けて相手に余裕を与えなかった。
試合後に高萩が「FW2人が攻撃も守備もスイッチを入れてくれて、助かっている」とコメントしている通り、広島のビルドアップを事前に研究していたと思われるFC東京は永井の動きに連動してパスコースを限定することで、最終的に高い位置でボールを奪って得点に繋げている。
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