鹿島アントラーズに求められる改革
最もうまくいっていないのがオフェンスだ。9試合で7得点しか記録しておらず、1試合平均の得点数は0.78にとどまている。シーズンを通した鹿島の1試合における平均得点数の最低記録は、30試合で41得点した2004年の1.37だ。
例えば、金崎夢生と鈴木優磨は1-4で敗れた川崎フロンターレで、悪い出来だったわけではない。もちろん改善の余地は大いにあるが、彼らはほとんどの1対1の局面で勝っていた。鈴木は8回中7回勝利、金崎は8回中6回勝利し、川崎に彼らを超える選手はおらず、家長昭博が9回中6回勝利したのが最も近い数字だった。
メインの問題はチームが組織されていないこと。前線に流動性はなく、中盤からのサポートも少ない。センターバックからのロングボールばかりが目立つのが現状だ。大岩剛監督は自身が何をしているのか見失っているかもしれない。彼は戦術的な練習をしていないのだろう。川崎がほとんどすべての側面で彼のチームを上回った試合で、それを露呈した。
しかし先発級の選手が数多く離脱していることは、忘れてはならない。曽ヶ端準、山本脩斗、安西幸輝、レオ・シルバ、レアンドロ、ペドロ・ジュニオール、遠藤康、安部祐葵の8選手が負傷を抱えている。事実として、彼らの多くがトレーニング中に怪我をしている。つまり、大岩監督のメソッドになにか問題点があるとも考えられるのだ。
多くのサポーターたちが即時の監督交代を求めているが、鹿島はもう少し大岩監督とともに歩みを進めるようだ。クラブは昨年と同じように、劇的な行動をとるのはAFCチャンピオンズリーグからの敗退が決まった後にするのだろう。2016年のような奇跡が起こることを期待して。もしもすぐに変更が行われなければ、ACLで優勝する夢と、もちろんJリーグを勝ち取る夢は、期待していたよりも早く潰える(ついえる)かもしれない。
著者:チアゴ・ボンテンポ
1985年生まれのブラジル人ジャーナリスト。サンパウロ在住。幼少期よりスポーツとりわけサッカーを愛する。大学時代にジャーナリズムを専攻し2011年よりブラジル『Globo Esporte』で日本サッカーを担当している。ブラジルのボタフォゴ、アーセナル、そして日本代表の熱烈なサポーターである。将来の夢は日本語を流暢に扱うこと、富士山登頂、Jリーグスタジアムを巡ること。
Twitter: @GunnerTNB
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