ウィンクスも、ウィルシャーのように大きすぎる期待に応えることができないのだろうか。まだ落ち着きを保ち良好なパフォーマンスを維持しているウィンクスだが、ジャック・ウィルシャーも彼を有名にした夜以降しばらくは同様だったことは覚えておくべきだ。しかしウィンクスは地に足を着けたままでいる重要性を理解しているようで、正しい態度を示している。「誉め言葉は嬉しいけど、まだモドリッチには遠く及ばないよ」と彼は『ボール・ストリート』のインタビューで認めている。ウェストハム戦のマッチデープログラムでは「今一番重要なのは努力を続けること、良いパフォーマンスを続けて好調を維持することだ」と語った。「舞い上がってはいないよ。僕の目標は進歩を続けて一試合でも多くの試合に出場することさ」
もちろん、彼次第で将来のすべてが決まる訳ではない。人一倍努力したとしても、繰り返しウィルシャーの進歩を妨げたような大きな怪我に見舞われる可能性はある。彼は足首の負傷で2011/12シーズンの半分を欠場し、復帰後すぐに再び怪我人リストに名を連ねた。その後も負傷の連続により、2014年11月から2016年4月までに出場したのはわずか14試合だった。
そしてウィルシャーは状態が良い時でさえ、英国メディアが2011年の春に設定した高い期待に応えるパフォーマンスを見せることは稀だ。喫煙や夜遊びのスキャンダルは大げさだったが、彼の自己評価はあまりに急速に大きくなりすぎてしまったように感じられる。もしかしたら彼は、最終コーナーを回る前にレースに勝ったと思ってしまったのかもしれない。イアン・ライトが彼にピッチ外で誰と時間を過ごすかを再考するように求める一方で、アーセン・ベンゲルは彼が成熟した努力家だと繰り返していた。果たしてアーセナルの指揮官は本当にそう思っていたのだろうか。マウリシオ・ポチェッティーノが監督を務めクラブも急成長を遂げる中で、ウィンクスは舞い上がったりうぬぼれることが許されない申し分ない環境にいる。
またトッテナムは彼に高額過ぎる給与を与えることもなく、ウィルシャーが20歳の時に週給8万ポンド(約1200万円)を提示されたのに対し、ウィンクスの昇給は週給4万ポンド(約600万円)になると報道されている。より高い給料をエサにした「ニンジン作戦」と多くを求める監督のムチがあれば、今後数年間でウィンクスがモチベーションを落とすことはないだろう。たしかに彼はイングランドの中盤の救世主となれるかもしれないが、過剰な期待がもう数シーズン暴走しないことを願うばかりだ。
著者:ユアン・マクティアー
スコットランド、イングランドとスペインを専門とするグラスゴー出身ジャーナリスト兼ライター。スペイン紙『マルカ』、英紙『ガーディアン』、『ユーロスポーツ』などに寄稿。著書に『Eibar The Brave』がある。
Twitter:@emctear
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