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イングランドの救世主?ハリー・ウィンクスは過剰な期待に応えられるのか

 その期待の高さは、過剰なほどに思える。ワールドカップイヤーの今年、イングランドサッカー界はハリー・ウィンクスという名の中盤の救世主を手に入れた。まだトップチームで23試合しか先発しておらずイングランド代表でも1キャップを記録しただけにも関わらず、ハートフォードシャー出身の22歳はガレス・サウスゲート監督率いるチームの中盤を救う人材としてもてはやされている。たしかに彼はそれだけの能力があるのかもしれないし、ウィンクスが今季ここまでほぼ完璧な出来なのも事実だが、有望な選手に国中の希望と夢を背負わせてもいい結果にならないことは過去に証明されてきた。

 ジャック・ウィルシャーはそれを痛いほど理解している。ウィンクスと同様に、彼の人気が急上昇したのはチャンピオンズリーグでリーガの巨人を相手に5つ星のパフォーマンスを見せた時だった。2011年にアーセナルのミッドフィールダーがバルセロナを相手に輝いてから6年半後、ノースロンドンのライバルはレアル・マドリード戦で同等の活躍を披露した。

 もちろん彼らのパフォーマンスには違いがある。新米のウィルシャーがより深い位置でボール奪取や繋ぎ役を担ったのに対し、ウィンクスは特にサンティアゴ・ベルナベウでの一戦ではスパーズの中盤で創造性を生み出していた。それでも二人は同様のインパクトをもたらし、前者がバルセロナを相手に93.5%の成功率で46本のパスに成功、後者はレアル・マドリード戦で45本のパスを通し成功率91%を記録している。

 二人は気味が悪いほどの称賛を受けた点でも共通している。「21歳のウィンクスはマドリードの中盤の名手ルカ・モドリッチやトニ・クロースを相手に、特筆すべき個性とポジティブさを見せた」と『テレグラフ』のポール・ヘイワードは言う。6年前、彼は『ガーディアン』で「19歳のウィルシャーは既にバルセロナの二人の最高のミッドフィールダー、シャビとアンドレス・イニエスタと同じレベルにある」と述べている。類似性は明らかだが、これが唯一の例という訳ではない。2011年にウィルシャーのプレーを「落ち着いたパフォーマンス」と評した『BBC』のフィル・マクナルティは、ウィンクスが「チャンピオンズリーグのレベルで完全に快適にプレーしている」とした。両選手を「怖いもの知らず」と評したヘンリー・ウィンターの他にも、メディアには同じような評価があふれている。

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