神戸戦前半の伊東のアクション分布図。〇が成功、×が失敗を表す 写真提供:Getty Images
活動の分布図を見ても、前半はハーフウェイライン付近でプレーに関与することが多かったのが分かる。しかし前半途中から守備が安定すると柏は徐々にボールをキープできるようになり、前半は13分間だったポゼッション時間は後半には神戸と同じ19分間まで回復している。これに従い、伊東も自慢のスピードをより活かせるようになる。1対1のドリブル数はこの試合最多の10回(2位はクリスティアーノの8回)で、神戸の守備陣を大いに悩ませた。
それが最大限に発揮されたのが68分の得点シーンで、ハーフウェイライン過ぎで江坂の意外性のあるパスを受けた伊東は素早く相手ディフェンスラインに勝負を仕掛ける。ゴール前にボールを運びディフェンダーが寄せきる前、ゴールキーパーにはブラインドになる絶妙なタイミングで放った左足のシュートはゴール隅に突き刺さった。
伊東がこの試合で最多を記録したのはドリブルだけではない。90分を通してゴール前に上げたクロスは7本を数え、これは2位の小池龍太(4本)を大きく上回る。またそのパターンも多彩で、53分にはコーナーフラッグ付近から巧みな足技で橋本和を抜き去ったかと思えば、相手に疲れが見えた試合終盤には小池からのパスによりスペースに飛び出してゴール前へボールを供給している。さらに山崎亮平が右サイドに入ると、逆サイドからもアーリークロスでチャンスの創出を図った。
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