
FT:例えばアメリカンフットボールでは、各ポジションにそれぞれ専門のコーチがいます。しかしサッカーは戦術的により流動的ですよね。
LV:その通りです。選手たちにとって最も重要なことは、状況を読み対応することです。もしビデオクリップを毎週見続ければ、何が起きるかが分かります。ほとんどの選手たちは同じ失敗をしません。
FT:どのようなプロセスを経て、選手との関係を築くのですか?
LV:最初に無料の戦術セッションを設けます。選手の可能性を示したいからです。前後半を両方見て、ひとつのハーフに大体70クリップほどのビデオを作製します。そのビデオクリップでは、同じ状況下でよかったプレーと悪かったプレーを見せるのです。それから攻守における基本的な部分を確認し、次の段階ですべての個人的な基礎を、マスターするまで情報を加えていきます。そして選手が、何が良くて何が悪いのかが分かったら、次はどのように「振る舞え」ばいいのかを確認するのです。
FT:信頼関係が重要なのですね。選手が正直でなければ成立しません。
QM:彼はいつも「何が起きたんだ」と聞いてくるので、私は「何を探しているんだ」と考えるのですが、説明すれば理解してくれます。
LV:お互いに信頼していなければうまくいきません。選手たち自身に成長できると感じてもらいたいのです。
FT:戦術分析に興味を持つ人は多くいます。このような仕事を志す人へ、アドバイスをお願いします。
LV:90分間1人の選手だけを見てください。選手の影響力について理解できるはずです。80%のファンはボール、もしくはその前後しか見ていません。しかし、もしも選手の「振る舞い」を見ていれば、誰も気づかないようなその選手の「振る舞い」を発見できるでしょう。時々、マルティノスにビデオを見せると、「え、これはいつ起きたんだ?」と彼が言うことがあります。この方法であなたが見ることは、スタッツには表れません。選手個人の影響を見るには、集中力が必要です。
FT:あなたはまだ26歳にもかかわらず、この分野のパイオニアです。最終的な目標は何ですか?
LV:プロクラブの監督になりたいです。この仕事は私にとってファーストステップにすぎません。最初の2シーズンが過ぎました。これから成長してプロクラブに行き、私が何をもたらせるのかを証明したいです。そしてヨーロッパのビッグクラブで指導したいですね。

ローラン・フリーリンク
「個人戦術アナリスト」という分野のパイオニア。『Your Tactical Analyst』社を立ち上げ、プレミアリーグのスウォンジー・シティに所属するMFレロイ・フェル、セリエAのラツィオに所属するステファン・デ・フライ、そして浦和レッズに所属するクエンテン・マルティノスなどの顧客を抱えている。
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クエンテン・マルティノス
浦和レッズに所属するウィンガー。キュラソー島代表。2011年にオランダのSCヘーレンフェーンでデビュー。2016年から横浜F・マリノスでプレーし、今年1月に浦和レッズに移籍した。
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