プレミアリーグ アーセナル

アーセナルがベンゲルの後継者としてブレンダン・ロジャーズを真剣に検討するべき理由

セルティックのブレンダン・ロジャーズ監督 写真提供:Getty Images

 ロジャーズも同様に魅力的なフットボールを志向している。スウォンジーではロベルト・マルティネスとパウロ・ソウザが残した組織的なパスサッカーの方向性を継続し、リバプールではプレミアリーグ史上最も効果的な攻撃チームの一つを作り上げた。2013/14シーズンの101得点は、あと数ゴールで2009/10シーズンのチェルシーが持つプレミアリーグの最多記録に並ぶところだった。そして昨季はセルティックで、スコティッシュ・プレミアシップが12チームに拡大した2000/01シーズン以降で最多の得点を記録している。

 これらの数字を支えているのは、革新的な戦術観だ。ロジャーズは改革を恐れることがない。彼はアントニオ・コンテがチェルシーをタイトルに導くより前に同じ3-4-2-1システムを活用しており、異なる相手を崩すためにチームの形を変えることもいとわない。北アイルランド人指揮官の理想は、アーセナルファンと相性がいいものだ。彼はバックラインからのポゼッション、主導権の掌握、ショートパスによる崩し、守備時のアグレッシブなプレッシングに重点を置いている。

 彼はアーセナルが必要とする選手育成にも長けている。ベンゲルは才能を発見する能力に優れながらそれを伸ばすのは苦手だったが、ロジャーズはチームの戦力を最大限に引き出すことができる。最近の彼の最大の功績は、セルティックの主将スコット・ブラウンを低い位置のプレーメーカーにコンバートしたことかもしれない。

 かつて獰猛なタックルで知られるファイターだったスコットランド人選手は、キャリア終盤での新たな役割で驚くほどの成功を収めている。昨年5月、32歳のブラウンはコンバートによってより長くプレーできる可能性について語った。「初めて監督と話した時に、あと何年くらいプレーできると思うか聞かれた」と彼は言う。「それは良い質問だったし、最高レベルではあと2年くらいかなと思っていた。今は少なくとも3、4年は行けると思う」

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