著者:マリオ・カワタ
試合の残り時間は20分を切り、オイペンがベルギー1部リーグ残留を果たすためには3ゴールが必要だった。そんな絶望的な状況で途中出場の無名選手がハットトリックを成し遂げてチームを救うなど、まるで漫画の筋書きのように思える。しかし豊川雄太は、まさにそれをやってのけた。
3月11日のレギュラーシーズン最終節ロイヤル・エクセル・ムスクロン戦で57分にピッチに送り出された豊川は、73分にフリーキックにヘディングで合わせてベルギーでの初得点となる先制点を奪う。するとその僅か3分後にはチームの2点目をアシストし、80分にはコーナーキックに再び頭で合わせてゴール。そして試合終了間際の89分、ゴール前のボールを押し込んでハットトリックを達成した。この結果4-0で勝利したオイペンは最下位のメヘレンを得失点差で1つ上回り、劇的な1部残留を果たしている。
試合後にはピッチになだれ込んだサポーターに胴上げされ、新聞には「ジャパンニーズ・ミラクル」「オイペンが言えることはただ一つ『アリガトウ、ユータ!』」といった見出しが躍った。その衝撃的な活躍は、現地でどのように受け止められたのだろうか。現地紙『L’Avenir』のダヴィド・リズ記者に話を聞いた。
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