ラ・リーガ レアル・マドリード

ジダンは本当に選手の扱いがうまい監督なのか?気になる控え選手との溝

ベイル(左)に指示を与えるジダン監督(右) 写真提供:Getty Images

 ジダンを弁護するとすれば、彼は他の多くの人間よりもチームのバランスの悪さに気付いており、高給のわりにスター性に欠けていたためにクロード・マケレレを放出した決断を公に批判した選手の一人だった。「エンジンを失ったベントレーに金色のペイントをしてどうなるんだ?」と彼は言っている。ただマケレレはチームの中間、現在で言えばカゼミーロのような立場だった。銀河系でもなければ、成功を狙う控え選手でもなかった。

 ジダンが信頼を得る必要があるのはバックアップの選手たちだが、今までその努力をしてこなかった訳ではない。昨季のジダンは欧州のどのトップクラブの監督よりも積極的にローテーションを実施し、2人の例外を除くチーム全員が少なくとも1000分間以上試合に出場した。しかしビッグゲームになるとジダンは妥協することなく、可能な限り自身のベストメンバーを使い続けた。それ以外の選手も試合に出場してはいたが、それは試合終盤の20分間や、ヒホンやレガネス相手の簡単なアウェイゲームに限られていた。

 これはレアル・マドリードが、昨年夏に多くの選手を失うことになった原因のひとつだった。アルバロ・モラタ、ハメス・ロドリゲス、ダニーロ、マリアーノ・ディアス、ペペ、そしてファビオ・コエントランはみな出場機会を増やすためにチームを去っていったが、クラブが本当に放出したかったのはベテランで怪我がちなコエントランだけだった。「モラタには残ってほしかったが、彼は他チームでもっと出場機会を得たがっていた」とジダンは最も大きな退団について語っている。「彼が決断したことだ」と付け加えてもいるが、先発入りが不可能と思わせないこともジダンの仕事だったのではないだろうか。

ページ 2 / 3