スター選手獲得を最優先する現代サッカーが生んだモウリーニョとポグバの確執

著者：Seb Stafford-Bloor（翻訳者：マリオ・カワタ）

　ジョゼ・モウリーニョとポール・ポグバの間の不協和音が強まっている。このポルトガル人指揮官の下で働いた多くの才能ある選手たちと同様に、フランス代表MFは彼の忍耐力のなさに困惑しているように見える。セント・ジェームズ・パークのベンチに座り込んだ姿が物語っていたように、彼は不調に陥っているだけでなくその理由を理解できずにいる。

　こうした状況では、どちらかの側を選ぶ必要がある。厳格なモウリーニョが才能あふれる選手と衝突するのは避けられないと思うか、中盤の労働者に頼る甘やかされたスターであるポグバが再教育に反発していると見るかだ。

　だがもしかしたら、姿を現しつつあるこの不和の原因はマンチェスター・ユナイテッドそのものにあるのかもしれない。単にチームとしてではなく、クラブとしてだ。

　先週のチャンピオンズリーグでのレアル・マドリードとパリ・サンジェルマンの一戦のあと、ジョナサン・ウィルソンはサッカーの「ディズニー化」について書いた。彼は質よりもスタイルを重視した頭でっかちなサッカーがスーパークラブの未来なのか、そしてオイルマネーの時代が拡大するにつれて伝統的なチーム構築が過去のものになるのではないか、と疑問を投げかけている。

　それはフェアな意見だろう。あの試合はミスが多く、4つのゴールはすべてディフェンスの混乱から生まれていた。昔であればこうした試合の特徴は硬さと慎重さであり、チームを完全に掌握した2人の監督が寡黙にスペクタクルの火消しをしたものだった。