ブンデスリーガ バイエルン・ミュンヘン

「バイエルンのいない世界」を想像してみよう。王者抜きで見えてくるブンデスリーガの魅力

バイエルンのいない世界では1位のRBライプツィヒ 写真提供:Getty Images

 
バイエルンの歴史的な成功と過去5シーズン半の圧倒的な力を見れば、このミュンヘンの巨人をブンデスリーガから切り離して考えることはナンセンスではない。彼らのリーグにおけるステータスは、革命的な変化がない限りびくともしないのだ。

 それでも、いいではないか。バイエルンなんてどうでもいいのだ。
バイエルン抜きで考えれば今季のブンデスリーガは非常に激戦であり、史上まれに見る混戦のタイトルレースと言える。まず勝ち点4差しかない2位から6位までを見てみよう

 バイエルンなしの上位を見ると、「どのチームが今季のベストチームなのか」という疑問が浮かぶ。現時点ではまだ答えは分からない。ライプツィヒ、バイヤー・レバークーゼン、ボルシア・ドルトムント、シャルケのどのクラブにも可能性があり、力はほぼ対等だ。同時にアイントラハト・フランクフルトとアウグスブルクはダークホースで、どのチームでも倒せる力がある。

 懐疑的な人は、この見解をブンデスリーガの凡庸性として捉えるかもしれない。バイエルンはこれらの「どんぐりの背比べ」のはるか先にいるからだ。バイエルンがリーグの評価の基準であれば、確かにそれは正しい。実際には彼らがリーグにいるのだから、当然でもある。ただし私の持論は完全に逆だ。バイエルンこそが私たちがブンデスリーガを見る目をゆがめている、異質な存在なのだ。

 私はなにも、みんなで手をつないで目を閉じ、バイエルンなしの世界について歌おうと言っているわけではない。ただバイエルンのような基準でブンデスリーガを評価するのが、馬鹿げていると思っているだけだ。彼らは今までもこれからも、他クラブの上に立ち続ける。

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