ユベントス

ユベントスは再評価されるべき。”美しいフットボール”を体現

著者:Blair Newman
 伝統的にユベントスは最も優れた守備陣を誇ってきたクラブだ。7年間の最盛期でセリエA最少失点を記録。伝説的なGKジャンルイジ・ブッフォンに加え、DFアンドレア・バルツァッリ、レオナルド・ボヌッチ、ジョルジョ・キエッリーニが構成する鉄壁の守備陣は相手攻撃陣へ畏怖さえも与えた。

 レアル・マドリードの”BBC”やバルセロナの”MSN”と同じく「バルツァッリ-ボヌッチ-キエッリーニ」のトリオは”ユーベのBBC”として(守備陣として初めて)欧州中にその名を轟かした。BBCの一角であったボヌッチはミランへ移籍したが、ユベントスの堅固な守備のイメージは現在も不変だ。

 歴史的にイタリアのフットボールは並外れたディフェンス力を武器としてきた。その”守備の国”で常にトップに君臨するユベントス。「世界最高峰のディフェンスクラブ」という評価は理に適っていると言えるだろう。屈強なCB陣がシュートブロックと正確なクリアを繰り返す。クリーンシート(無失点試合)と勝利はまるでマシーンのように生産される。しかし、実は守備よりも大きな武器を持っているのだ。

 マッシミリアーノ・アッレグリ監督によって率いられた今季のユベントスは、セリエA最多得点となる61ゴールを挙げている。1試合平均2.5ゴールは欧州主要5大リーグでパリ・サンジェルマン(PSG)、マンチェスター・シティ、バルセロナに次ぐ4番目の数字だ。

 大半の人間は「ゴールこそフットボールのエンターテイメント性」という価値観を持っている。その意味で今のユベントスは”美しいフットボール”を体現するクラブといえるはずだ。

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