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ユベントスとナポリはセリエAの“レアルとバルサ”なのか。セリエAをイタリア人識者2名が徹底討論【カルチョ・エ・ペペ】

ミリクの負傷にみるナポリの問題

ナポリのアルカディウシュ・ミリク 写真提供:Getty Images

C:ミリクの負傷は去年のものよりも酷くないね。しかも、去年の負傷のおかげで、現代で最強のフォーワードの一人が見つかったね。ドリース・メルテンスのことだ。彼はあの時まであのポジションでプレーしたことはなかった。つまり、去年負傷離脱したのは先発選手だったけど、今回は大事な補欠選手の負傷だね。それでも今シーズンはユベントスもナポリも両方強くて、このような負傷はシーズンに影響があるかもしれない。マヌエルにとってこの負傷はどれぐらいナポリに影響を与えるかな? しかも、レオナルド・パヴォレッティもドゥバン・サパタも売られちゃって、補欠メンバーがいなくなったね…。

M:この負傷は間違いなく悪影響を与えると思う。ミリクのおかげで、様々なプレーができていたからだ。メルテンスとカジェホンとインシーニェも全員背が低くパスゲームをするしかない。フィジカルが強いミリクがいれば、ボールを高くするプレーも可能だったし、コーナーキックもフリーキックの場合もボーナスになっていたと思う。つまり、この負傷は今のナポリにすごく大きい問題だと思う。しかも、サパタも売られてしまって、彼はミリクと同じぐらい重要な選手だったのに…。でもこういうことはある。この負傷はシーズンにも影響を与えてしまうかもしれない。

C:サパタについてですが、ナポリというクラブはお金持ちのわけじゃないから、ヨーロッパのビッグクラブと比べると選手たちの給料もそんなに高くない。そのためか、強い補欠選手が必要なときに困るんだ。このような選手たちがいれば、給料を高くするか売るかこの2つの選択肢があるからね。サッリ監督は明らかにターンオーバーが好きなタイプじゃない。だからサパタは売られてしまったね! 違うかな?

M:しかし、強いチームの考え方として、このような態度はよくない。だから、これはナポリの欠点だと思うね。補欠選手が足りない場合は、サパタのような強い選手を売ることには意味がない。選手達が負傷することはよくある。しかし練習のスタイルのせいで、負傷というものは自然と起こるものだ。だからこそ控え選手は常にいなければならない。ナポリの戦略は悪かった。シーズンは長く、リーグ戦だけではなく、他の大会もある。CLの時にも彼らは困っていた…。ビッグクラブになることを志していたら、セリエAを優勝したかったら、このようなミスをしてはいけない。スタメンも控え選手も重要で、両方をてがけられない監督たちとクラブチームはビッグクラブになるための“何か”が欠けているというわけだ。比較はしたくないけれど、ユベントスはこの視点で素晴らしい仕事をしている。

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