トリノダービーで難なく勝利を収め、リーグ戦開幕から6連勝を飾ったユベントス。シーズン開幕からここまでのクラブの戦績から、2人のアルゼンチン代表の現状が対照的に映し出されているように感じるファンは多いはずだ。
中盤や最終ラインで複数の怪我人を抱えているユベントスがリーグ戦でここまで順調な戦いぶりを見せている背景は、今季から”10番”を背負っているアルゼンチン代表FWパウロ・ディバラだ。トリノ戦でもドッピエッタ(2ゴール)を挙げており、6試合ですでに2桁得点をマーク。さらには第2節ジェノア戦、第4節サッスオーロ戦と2度に渡るトリプレッタ(ハットトリック)を達成するなど勢いは止まらない。
もちろん、中盤センターの新戦力であるフランス代表MFブレーズ・マテュイディや期待の新星と呼び声の高いMFロドリゴ・ベンタンクールが攻守においてバランスのとれたプレーをそつなくこなし、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表MFミラレム・ピャニッチとの補完性をとれていることもリーグ戦におけるチームの順調ぶりに寄与している。しかしディバラのゴール前における決定力こそが一番の要因であることに疑いはない。
その一方、同じアルゼンチン人の点取り屋であるFWゴンサロ・イグアインはピッチで思ったような結果を出せていない。同選手はここまで公式戦で2ゴールとまだ本来のコンディションには程遠く、トリノダービーではベンチスタートとなっている。特にUEFAチャンピオンズリーグ・グループステージ第1節バルセロナ戦では、ストレスを貯めていたのか途中交代する際にスタンドに対して指を立てるシーンが見られ、話題を呼んだ。ファンの間では驚異のペースでゴールを積み重ねているディバラとの比較対象にされ、かつ9000万ユーロ(約108億円)という高額な移籍金に見合わないとして批判の的に挙げられている。
そのイグアインについて、マッシミリアーノ・アッレグリ監督はバルセロナ戦後のインタビューにて、「彼は時々自分の力を発揮できない時がある。このようなゲーム(バルセロナ戦)ではもっとリラックスして臨む必要がある」と語っており、メンタル面で問題を抱えていることを示唆している。もしかするとイグアイン本人はディバラの鮮烈なパフォーマンスについて、あまりにも過剰に意識しているのかもしれない。
ピッチ上で輝きを放っている”10番”、そしてベンチでどこか浮かない表情を見せている”9番”、この2人のパフォーマンスには今後も注目が集まることだろう。
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