代表チーム ブンデスリーガ

“ウッシー”ロスは大きい。シャルケで愛された男はベルリンで新たな冒険に挑む

ドイツ人が愛した男の新たな冒険

著者:キム・デンプフリング
ドイツ誌『キッカー』オンライン版の編集者。日本語を勉強していたこともあり、大阪で1年間の留学、徳島で1年間の仕事を経験している。スポーツ報知などの日本メディア向けのブンデスリーガの特派員としての経験を経て、日本代表FW乾貴士(アイントラハト・フランクフルト所属時)や大迫勇也(1860ミュンヘン所属時)といった選手の通訳としても活躍した。

 我々の元にサプライズニュースが飛び込んできた。2010年に鹿島アントラーズよりシャルケに移籍し、7シーズンに渡り在籍した内田篤人のブンデスリーガ2部ウニオン・ベルリンへの加入が発表された。なにより、彼がベルリンという地を選択したことが1番の驚きといえるかもしれない。

 実際に彼がシャルケからの退団を希望していたのかどうかは定かではない。ドミニコ・テデスコ新監督のもと、内田はより多くの出場機会を得ていただけにシャルケが2018年6月までと迫っていた契約を延長させるのではないかと思われていた。だが、契約延長の話がされていなかったことで内田はシャルケに移籍先を探す許可を求めることにしたのだろう。

 シャルケのスポーツマネージャーを務めるクリスティアン・ハイデル氏は「我々にとって、難しい決断ではあったが、彼のチャンスを奪いたくはなかったし、彼の希望を尊重することにした。移籍金もウニオンが支払うことができるだけの金額に下げた」と今回の移籍について述べた。

 現在29歳となった内田は、7年という長い月日をゲルゼンキルヒェンという地で青と白のユニフォームを着て過ごしてきた。これからは首都ベルリンで赤と白のユニフォームを着ることになるのだが、ウニオンとはどんなクラブなのだろう。ブンデス1部へ昇格した経験のないクラブであるだけに、彼らの名はドイツ国外ではあまり知られていない。

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