今年の初めには、この時点で磐田が上位半数につけていることを想像できた者は少ないだろう。同じことが横浜FMにも言える。エリク・モンバエルツ監督の継続決定や、そこで引退してチームを活性化させると思われたベテラン選手たちを手放したことには、サポーター達も賛同していないように見えた。同フランス人監督が一貫性のないやり方でシーズンをスタートさせたことは事実である。それでも彼らは静かに良い結果を積み重ね始めている。直近13試合無敗を誇り、9勝4分と獲得可能な勝点39のうち実に31ポイントを獲得した。
なぜこのようなことが起こっているのだろうか? 横浜FMのプレーは人目を引くサッカーからは程遠く、いつも攻撃に苦しんでいる。FWウーゴ・ビエイラは期待されたような得点マシンとしてまだ確立していない。MFダビド・バブンスキは第2節以降活躍しておらず、徐々に居場所を失っている。MF天野純はボール配分の役目を有能に果たしているものの、中村とは比べ物にならない。彼ら攻撃陣の本当の強みは、ウイングを通したスピードにある。新キャプテンで背番号10のFW齋藤学はリーグでの初ゴールをまだ決めていないが、アシストのランキングで2位につけている(1位は柏レイソルのMFクリスティアーノ・ダ・シウバ)。スピードスターであるFWクエンテン・マルティノスは強力なカウンター攻撃の武器となり、ここまでで5ゴール4アシストを記録している。
一方で、横浜FMの守備はリーグ最高として非の打ち所がない。GK飯倉大樹は最も頼りがいがあるとは言えないかもしれないがミスが少なく、39歳のベテラン選手で怪我も警告もないDF中澤佑二と、オーストラリア代表の先発メンバーであるDFミロシュ・デゲネクに固く守られてきた。松原健と山中亮輔は、サイドバックのポジションを活気づけた。扇原貴宏はミッドフィールドを支配し、不可欠な存在となった。扇原はJ2時代のC大阪でも目立ったところはなく、昨年数ヶ月在籍した名古屋グランパスエイトからも惜しがられる存在ではなかったが、2012年ロンドンオリンピック時代の活躍を思わせる自身最高の形を横浜FMにて取り戻した。横浜FMにとって、彼が今年最大の契約だったと言っても過言ではない。
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