プレミアリーグ トッテナム

17/18プレミア優勝はどこだ。英国人ニール・ハンフリーズによるビッグ6の戦力分析

 しかし、最大のライバルであるジョゼ・モウリーニョ監督もディテールにこだわりながらも弱点を補うための最善の補強をしている。3バックでプレーするためにセンターバックが必要だと考え、ビクトル・リンデロフを3,100万ポンド(約46億円)で獲得した。プレシーズンを通じ、リンデロフは3バックの中央を務め、後ろからのビルドアップの中心となっている。

 モウリーニョ監督はズラタン・イブラヒモビッチの代役も必要だと考え、高額のロメロ・ルカクを獲得した。プレシーズンでルカクとマーカス・ラッシュフォードは見事なコンビネーションを披露している。今シーズン、若さ、強さ、身体能力、速さを兼ね備えた両選手から生まれるコンビネーションは、リーグ1のダイナミックで見応えのあるものとなり得る。

 さらにはモウリーニョ監督は中盤のアンドレス・ペレイラもグラナダからレンタルバックさせている。彼はルイ・ファン・ハール前監督の下では、トップ下として起用されていたが、モウリーニョはセンターハーフとして起用しており、移籍期間が終わるまでにユナイテッドが他の選手を獲得することがなければ、そのまま彼は同ポジションで主力として起用されることとなるだろう。ペレイラ、リンデロフ、ルカクの3選手がユナイテッドの強力な縦のラインを支えることになりそうだが、モウリーニョは別に守備的な中盤の選手を獲得したいとも考えている。その理由はアンカーを務める選手なしで彼はこれまでにタイトルを勝ち取ったことがないからである。

 エリック・ダイアー(トッテナム所属)とネマニャ・マティッチ(チェルシー所属)の獲得がモウリーニョ監督の希望だ。もしいずれかの選手を獲得出来なければ、ペレイラが主力となるだろう。だが、マティッチを獲得できれば、彼らはプレミアリーグ最強イレブンを擁する優勝候補となり得るだろう。

 タイトルレースに参加する他のクラブたちにとっては、悪いニュースだろう。チェルシーはレアル・マドリードよりアルバロ・モラタを7500万ポンド(約108億円)で獲得した。彼に対する期待は高まってはいるが、割に合わない額である。昨シーズン、モラタは26試合出場15得点を記録しているが、ベンチで過ごすことが多かった。マドリードでレギュラーの座を奪うことが出来なかった選手にチェルシーは7500万ポンドも支払ったのである。

ページ 2 / 4