レアル・マドリードの思惑は…?
マドリードの立場から考えると、CLとリーガの2冠を達成したばかりであり、彼らは特に補強する必要はないだろう。現在の先発11人は長い歴史の中でもベストとも言えるメンバーだ。かつて銀河系軍団と呼ばれ、今よりも有名な選手を抱えていた時代もあったが、万能さ、継続性、組織という点においては現在のジネディーヌ・ジダン監督のチームほどではなかった。とはいえ、2014年にはデシマ(10度目のCL制覇)を達成した後、彼らはハメス・ロドリゲス、トニ・クロース、ケイトール・ナバスといった選手たちに100億ポンド(約1兆4,000億円)も費やしている。
彼らは今回の移籍市場でも補強を検討している。フロレンティーノ・ペレス会長はかつて銀河系と呼ばれたタイプのビッグネームを毎年獲得すべきだと考えており、その意向を変えるつもりはない。今年はおそらく、マンチェスター・ユナイテッドのGKダビド・デ・ヘアではないかと噂されている。ケイロル・ナバスはデ・ヘアほど信頼できる選手ではなく、チームの弱点とも言える選手であるため、実現すれば、完璧な補強になり得るだろう。しかしながら、他の選手に関する噂も流れている。キリアン・ムバッペがその1人であり、まだ18歳ながらも、多くのヨーロッパのクラブが獲得に名乗りを上げている。もし彼が移籍を望んでいるのであれば、マドリードを選ぶ可能性は高そうだ。その場合、彼はマドリードにとって、先の10年を見据えた長期的な計画の一部となるだろう(ちなみに、アザールは既に26歳である)。
しかし、仮にムバッペ獲得が実現しなかったとしても、素晴らしい先発11人が既に揃っているだけでなく、地元出身21歳のマルコ・アセンシオという今シーズンの中心選手となった攻撃的MFもいる。来シーズン、彼はさらに出場を重ね、経験を積むことで、トップチームの選手として、更なる成長を遂げるチャンスを得るだろう。
ジダン監督は素晴らしく安定したパフォーマンスを見せ、CL決勝のユベントス戦でも見事な活躍だったイスコも抱えている。彼はストライカーたちやC・ロナウドをサポートするという役割のため、それほど走る必要もない。イスコは基本的には中盤の選手たちの前に位置しているが、中盤の人数を増やすために少し下がった位置でプレーしたり、C・ロナウドやカリム・ベンゼマのサポートをするために高い位置に顔を出したりといった役割をこなしている。ガレス・ベイルとは対照的に、イスコは今シーズンを通して、見事なパフォーマンスを披露し続けた。
ムバッペ獲得を考えなかったとしても、ジダン監督はアザールと同じポジションのベイル、イスコ、アセンシオといった選手たちを既に抱えている。アザールはたしかに素晴らしい選手であるが、マドリードの優先順位としては低いだろう。
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