混沌インテルは今季こそ本格始動?

インテルの2016/2017シーズンは、まさに“混沌”の一年だった。シーズン開幕直前にロベルト・マンチーニ監督が退任するというショックから一年がスタート。後任のフランク・デ・ブール監督は、“ビッグマッチ”でしか勝てない勝点の稼げない指揮官だった。
3人目の指揮官となったステファノ・ピオリ監督は一時はチームを躍進させるも、ビッグクラブ相手に勝てないこと、そしてCL出場権に届かないことでメディアとファンから執拗な批判を浴び、最終的には7戦勝利なしという袋小路に迷い込み解任されている。
まるで来季に向けて希望がないかのようにみえるインテルだが、情状酌量の余地はある。インテルを買収した蘇寧グループが実質的な経営権を握ったのはピオリ監督就任以降だ。デ・ブール監督の招聘はエリック・トヒル氏によるものであり、仮にピオリ監督が最初からチームを指揮していればCL出場権獲得という目標があれほどまでに“達成不可能なミッション”とはなっていなかったはずだ。
実際にインテルは中国資本投入後は着実に戦力を増しており、選手戦力だけでいえばナポリとローマに並ぶレベルに達している。そして、来季の指揮官はローマを2位に導いたルチアーノ・スパレッティ監督の就任が濃厚だ。さらには来季よりセリエAは4位までCL本大会出場権が与えられることから、現実的なライバルはナポリ、ローマ、ミランの3クラブのうち1クラブに勝利すればよいということになる。
インテルは来季CL出場権を獲得し、同時にアトレティコ・マドリードとの契約が満了するディエゴ・シメオネ監督を招聘するという青写真を描いているはずだ。その計画は昨季ピオリ監督に課された「奇跡のCL出場権獲得」に比べれば、ずっと現実的なミッションだといえるだろう。
PSV不在にみるオランダの地盤沈下

2015/2016シーズンにはグループステージでマンチェスター・ユナイテッドを破って決勝トーナメントに進出したPSVアイントホーフェンだったが、来季はヨーロッパリーグに回ることになる。しかし、PSVが深刻な低迷に陥っているということはできないだろう。むしろ、同クラブは欧州でオランダを牽引する存在であり、問題はエールディビジ(オランダ1部)全体の地盤沈下にあるといえる。
2015/2016シーズンのUEFAカントリーランキングではオランダはロシア、ウクライナ、ベルギーを下回る10位に落ち込んでおり、来季はオランダからはCLに2クラブしか出場することができない。PSVはフェイエノールト、アヤックスに次ぐリーグ3位であり、CL出場は狭き門となっているのだ。
近年オランダ勢の欧州での存在感は低下する一方で、今季アヤックスがEL決勝に進出したにも関わらず2016/2017シーズンのUEFAランキングで同国は13位まで落ち込んだ。過去5年間の累積ポイントでみた場合、トルコ、チェコ、スイスの下に位置しているのだ。とりわけ隣国であるベルギーに育成大国の座を奪われた印象のあるオランダはタレント不足が続いている。その影響はオランダ代表の結果にも表れており、2018年ワールドカップ出場を逃す可能性も高い。
それでも、今季のアヤックスの躍進はオランダ国内に希望の光を灯したといえる。自国の若手選手を主体に構成されたチームが欧州で存在感を放ったことで、その他のクラブもオランダ人選手の育成に着目すれば育成大国の立場を盛り返すことができるはずだ。
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