プレミアリーグ リバプール

DR.TRIBE【試合診断書】プレミアリーグ第17節 リバプール対マンチェスター・ユナイテッド

大会:プレミアリーグ
カード:リバプールvsマンチェスター・ユナイテッド
スコア:3-1
担当医:菊池大将(@yukkenokonoko
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポインティング・プレーヤー(MDP)
・両チームの攻撃vs守備
・両チーム監督
・主審


マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM):ジェルダン・シャチリ

出場約30分間で2ゴールの活躍。チームに勝ち点3をもたらす活躍を見せた。サラーが爆発しきれない展開で中央よりのポジションで多くの選手と共存できる彼の存在は、リバプールにとって大きい。

ザ・ハード・ワーカー(THW):ロベルト・フィルミーノ

リバプールにとって最も重要な選手だということをこの試合でも証明。抜群のポジショニングと技術で、狭いスペースでボールを引き出しながら攻撃のタクトを振った。また、守備時のユナイテッドのスイッチが入るタイミングでのボール奪取や、危険なところを感知してのファウルは流石。

モースト・ディサポインティング・プレーヤー(MDP):ディオゴ・ダロト

右のWBとして起用されたが、攻守のバランスを保てず前半でベンチに退いた。WB1枚でリバプールのWGを抑え込むのは酷な話だが、あまりにも抗うことができなかった。


リバプールの攻撃vsユナイテッドの守備

フィルミーノが抜群の動きで組み立てに参加し、2センターハーフがタスク過多になっていたユナイテッドのバイタルを攻略。ユナイテッドとしてはスペースを埋める意識が高すぎたことでプレスが遅れ、中盤の選手にドリブルではがされ続けたことが痛かった。リバプールはバイタルの攻略からファビーニョなどを中心にユナイテッドのカウンターのスイッチがかかるタイミングで、前を向こうとした選手に蓋ができたことで2次攻撃、3次攻撃に繋げることができた。ユナイテッドとしては前線からのプレスはある程度機能し、アグレッシブな守備を序盤は見せることができたが、中盤2枚の仕事量が多すぎた感は否めない。

後半はマルアン・フェライニを投入し4バックに変更したユナイテッド。中盤が3枚になったことである程度バイタルのスペースを消すことに成功している。リバプールはバイタルの狭いところで攻撃を続けていたが、もう少し展開してもよかっただろう。中盤に展開できる選手を投入してもよかったかもしれない。リバプールはスペースが減ったことで攻撃が停滞したが、アンドリュー・ロバートソンの攻撃参加により解決。サディオ・マネがサイドで仕掛ける時間とスペースを提供したことで、サイドの深い位置をえぐれるようになった。それが追加点にもつながっている。ユナイテッドとしてはボール奪取時に工夫がほしかった。全体的に押し上げるスピードを上げていれば、ここまでリバプールに素早くボールを回収されることはなかったかもしれない。


ユナイテッドの攻撃vsリバプールの守備

アンデル・エレーラがファビーニョをチェックし、そのカバーリングをネマニャ・マティッチが行うことでアグレッシブなディフェンスから序盤5分ほどペースを握ったユナイテッド。ただ、中盤の仕事量が多かったことと、展開力に乏しかったことでジェシー・リンガードとマーカス・ラッシュフォードは全くと言っていいほど活きなかった。ただ、手薄になるファビーニョのわきのスペースをは上手に使えた。そこを起点にしサイドに展開することで、リバプールの守備組織を突破することに成功。アリソン・ベッカーのミスが目立った先制点だが、崩しの部分はユナイテッドが上手に行った。リバプールは高い位置でのボールロスト後のユナイテッド選手への寄せが早く、素早くボールを回収。わかりやすく攻撃に繋がる守備を見せた。

後半はフェライニを投入し中盤を3枚にして、高さの面で違いを作ろうとしたユナイテッド。ただ、やはり中盤の展開力の低さは露呈した。守備面でいい形が作れていたユナイテッドだが、攻撃面では改善ができなかった。フェライニの投入は彼のポジショニングセンスが高いこともあり、局面を無視して相手に脅威を与えることができるため有効だったと言えるだろう。フアン・マタを80分以降に投入したユナイテッドだが、もう少し早い時間から見たかった。


リバプール監督:ユルゲン・クロップ

いつものように万能フィルミーノを中心に試合を組み立てたクロップ。失点こそしたものの、試合全体を通してコントロールできたことは大きい。課題があるとすれば手薄になってしまうファビーニョのところと、ユナイテッドがシステムを変更してきた後半。スペースがないところを突破しようとするチームの勢いを抑えることができなかった。中盤に展開力のある選手が少ないこともあるが、もっと効率的に攻撃できる手段はあっただろう。


ユナイテッド監督:ジョゼ・モウリーニョ

序盤から狙いを明確にしたディフェンスを見せ、試合の中でしっかりと修正をかけた。ただ、中盤の2枚に多くのタスクを与えすぎた感は否めない。後半の4バックへの変更は流石。流動的に縦横に関係性を構築して攻めてくるリバプールに対して抗った。ただ、中盤に攻撃面で気の利いた選手が1人いれば違った結果になった可能性はある。


主審:マーティン・アトキンソン

試合の中で審判が目立つことはなかった。ただ、ロメル・ルカクに対するファウルなど、明らかに見逃されたものがいくつかあった。




名前:菊池大将
趣味:サッカー観戦、映画鑑賞、読書
好きなチーム:ACミラン
幼少期に父親の影響でミランが好きになりました。アイドルはシェフチェンコ。パッション、データ、経済、カルチャー、サッカーの持つ様々な表情を見るのが好きです。よろしくお願い致します!

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