ブンデスリーガ バイエルン・ミュンヘン

レアルを相手に試合を支配したハインケスの戦術を徹底分析。想定外だったFW陣の不振

 UEFAチャンピオンズリーグ2017/18からの敗退は決定したが、バイエルン・ミュンヘンのユップ・ハインケス監督は改めて彼がサッカー界最高の戦術家の一人であることを証明した。バイエルンの敗退は個人のミスとフィニッシュの精度の低さによるものであり、決してハインケスのチームマネージメントが原因ではない。

 ジネディーヌ・ジダンとユップ・ハインケスは選手の故障により、ともに先発メンバーの入れ替えを強いられた。アウェイチームはニクラス・ズーレが単純にボアテングの代役を務める一方で、前線では右サイドのロッベンの穴を誰か一人で埋めることは不可能だった。トーマス・ミュラーが右サイドに開いてプレーしたが、クロスは彼の得意なプレーではない。左サイドにはリベリが起用され、サンティアゴ・ベルナベウに戻ってきたハメス・ロドリゲスはレバンドフスキの後ろという最も得意なポジションを与えられた。意外にもハインケスは、中盤ではハビ・マルティネスの代わりにコランタン・トリッソを使っている。チアゴは守備時には低いポジションを取り、ズーレとマッツ・フンメルスのプレッシャーを軽減した。

 対するレアル・マドリードのジネディーヌ・ジダンは、右サイドバックのダニエル・カルバハルの一時的な代役としてルーカス・バスケスの起用を迫られた。結果として、どんなチームにとっても脅威であるリベリとアラバというコンビを抑えるため、モドリッチは右サイドに流れてこの若手選手をサポートしなければならなかった。

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