
2月14日に開幕した2025明治安田Jリーグ。日本サッカー協会(JFA)審判委員会は、今シーズンのテーマに「試合の魅力を高めるゲームコントロール」を掲げた。それを実現するべく、野々村芳和氏(Jリーグチェアマン)や宮本恒靖氏(JFA会長)をはじめ、Jリーグ全体で「アクチュアルプレーイングタイム(APT)の増加」を目指している。
APTとは、試合時間のうち「実際にプレーが動いている時間」のことで、ボールがピッチ外に出たりファールでゲームが止められた場合などの時間を除いた部分を指す。つまり、Jリーグ全体でセットプレーやファウルの数を減らそうと動いているのだ。では、APT増加はどのように試合の魅力を高めるのか、また危惧されている問題は何か。筆者の視点からピックアップしていく。

APTを増やすべき理由
2月10日に行われた今季開幕イベントで、野々村チェアマンは「イングランドのトップリーグ・プレミアリーグのAPTが58分に対して日本のJ1リーグは52分。もう少し長くプレーしている姿を見せていきたい。具体的にはコンタクトの強さと深さ、審判のジャッジがとても大事になると思う。選手にもその意識をもってゲームを作り上げてほしい。開幕前に各チーム、各選手、審判を含めて今シーズンの方向性を話し合ってきた。世界トップ水準のAPTを目指す」と語った。
APT増加の実現に向け「リードしているチームが試合終了目前に軽い接触で倒れる」「セットプレーを意図的に遅らせる」「審判への執拗な抗議」などの”時間稼ぎ”を止める必要があると筆者は考える。
時には勝利のために多少のダーティさも必要だとは思うが、サッカーファンや試合を観ている子どもたちにとって、それらの行為が魅力的とは決して言えないだろう。さらに、そのような時間稼ぎでAPTが低下してしまうようであればフィジカルや集中力の面での成長が見込めず、ひいては日本サッカー界全体の成長も妨げてしまうだろう。

APT増加で危惧されること
「APT増加」を掲げる今シーズンのJリーグ。レフェリングに目を向けるとこれまでに比べて明らかにファウルを取る頻度が減った印象だ。しかし、ファウルとなるプレー自体が減ったわけではない。そのようなプレーがあってもファウルが取られず、そのまま流されているシーンが幾度となく確認されている。
このようなレフェリングは、選手生命を大きく左右する恐れがあることは言わずもがな。いくらコンタクトの強さや深さを世界基準に近づける狙いがあろうとも、選手の安全が保障されないことには本末転倒である。取るべきファウルにはしっかり笛を吹き、流すべきプレーかどうかのジャッジ基準を見直すなど、レフェリー全体の判定精度を上げていくことが求められるのではないだろうか。
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