1993年に開幕し、オリジナル10と呼ばれる10クラブでスタートしたJリーグ。2014年にJ3が新設され、現在はJ1からJ3でその数は60にまで増加した。また、4部以下に相当するJFLより下のカテゴリーにも多くの舞台を目指すセミプロクラブが増え、Jリーガー並のプロ契約を交わしている選手もいる。
大前提として、J3のクラブは全選手とプロ契約を交わしているパターンと、アマチュア契約の選手も抱えているパターンがある。報酬は勝利給のみという選手もいる。一方で、東京都社会人サッカーリーグながら来シーズンは選手に240万円もの年俸を支払うクラブもある。
元お笑い芸人でサッカー系YouTuberとして「Leo the football TV」を運営する名久井麗雄氏がオーナーを務めるシュワーボ東京は、来季、8部に相当する東京都リーグ2部に昇格するが、プロ契約選手の最高報酬は月額20万円の年俸240万円とすると、11月1日に公開された動画で明かされた。クラブの活動資金は名久井氏が運営する「レオザ学園」の会員が支払う月額費用(1,480円)とスポンサーによって賄われているという。
J3にはアマチュア契約の選手もいるため平均年俸を算出するのが難しいが、当然240万円以下の選手もいる。もちろん東京都リーグというカテゴリーでJ3並みの年俸を貰えるクラブは片手で数えられるくらいだろう。なお、シュワーボは2025シーズンから在籍全選手に最低で月額1万円を支給することも発表している。
その他、関東1部リーグに所属する某クラブは、運営側の方針で基本的には全選手が他に仕事をしているものの、助っ人外国人選手はサッカーだけで生活できる給料を払っていることを関係者が明かす。また、元日本代表FW本田圭佑氏がオーナーを務め、東京都中央区からJリーグを目指すEDO ALL UNITEDは2023シーズンからプロ化し、同年は全選手に一律1ヶ月10万円を選手報酬として支給しているようだ。
本田氏以外にも実績のある著名人が多数社会人リーグに参入しているのが現状だ。元日本代表DF槙野智章氏は神奈川県1部リーグ品川CCの監督を務めている他、関東1部の南葛SC(風間八宏氏)や東京都1部のSHIBUYA CITY FC(元Jリーガー増島竜也氏)もそれぞれクラブを率いている。
選手にJ3並みの報酬を払えるクラブが増加した背景は、2014年のJ3新設でJリーグへの参入障壁が下がったことや、いわきFCが福島県リーグからJ2まで昇格した前例があることに加え、こうした著名人の参入による社会人サッカーへの注目度増加が考えられる。
近年、注目を集める社会人サッカー。Jの舞台で活躍した人材が再びその世界に戻ってくるようなこともあるのではないだろうか。
コメントランキング