
AFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)2024/25のリーグステージ第2節が、10月1日と2日に各地で行われた。川崎フロンターレは1日、本拠地の等々力陸上競技場にて光州FC(韓国)と対戦。最終スコア0-1で敗れている。
キックオフ直後から光州のパスワークを止められず、劣勢に陥った川崎。後半は運動量が落ちた光州を自陣へ釘付けにしたが、ホームチームの猛攻は同点ゴールに結びつかなかった。
特に前半、川崎が試合を掌握しきれなかった原因は何か。ここではACLエリート光州戦を振り返るとともに、この点を中心に論評していく。現地取材で得た川崎の鬼木達監督の試合後コメントも、併せて紹介したい。

巧みだった光州の隊形変化
この試合における両チームの基本布陣は、川崎が[4-2-3-1]で光州が[4-4-2]。川崎はFW小林悠を起点とする守備(ハイプレス)で光州の自陣からのパスワークを封じようとしたが、アウェイチームの隊形変化に苦しめられた。
光州は川崎からボールを奪うと、守備時の[4-4-2]から[4-1-2-3]へ隊形変化。背番号55のMFパク・テジュン(2ボランチの一角)が攻撃時に中盤の底を務めたほか、背番号3のイ・ミンギと27番キム・ジンホの両DF(両サイドバック)の立ち位置にも工夫が見られた。

図Aのように、キックオフ直後からイ・ミンギとキム・ジンホの両サイドバックがタッチライン際から内側へ立ち位置を移し、中央とサイドどちらへもパスを出せる状況を常に作っている。これに加え、左サイドバックのイ・ミンギは敵陣へのランニングを繰り返し、川崎の最終ラインを押し下げていた。

図Bのようにサイドバックが自陣後方タッチライン際でボールを受けた場合、左右どちらかのパスコース(タッチライン方面へのパスコース)が必然的に消える。また、サイドバック自身も相手サイドハーフやウイングFWのプレスを浴びやすい立ち位置のため、ボールを失うリスクも上がる。洋の東西を問わず、4バックを採用しているチームの多くがサイドバックをこの位置に立たせたうえでパス回しに参加させており、その結果ボールを奪われているが、光州はこのようなミスが少なかった。

守備も緻密だった光州
光州は攻撃面のみならず、守備面でも周到さを見せつける。川崎が最終ラインからパスを回そうとするやいなや、DFホ・ユルとFWシン・チャンムの2トップが川崎のセサル・アイダルと高井幸大の両DF(2センターバック)を捕捉。これに加え、自陣後方へ降りパス回しをサポートしようとする川崎の2ボランチを光州の2ボランチが追跡したほか、川崎の両サイドバックにも光州の両サイドハーフがマンツーマン守備を行っていた。
自陣に立っている全ての選手をマンツーマン守備で捕捉されたため、川崎としては攻撃が困難に。試合序盤から窮屈なパス回しを強いられたうえ、前半19分に自陣でのパスミスから光州の速攻を浴びると、川崎の最終ライン背後を突いたキム・ジンホをセサル・アイダルがペナルティエリア内で押し倒してしまう。この反則で光州にPKが与えられ、キッカーを務めたMFヤシル・アサニにこれを物にされた。

ここでは右サイドバックのキム・ジンホが前線へ上がり、川崎のセンターバック高井と対峙している。これと同時にセサル・アイダルに光州のFWシン・チャンム、中盤から最終ラインへ降りた川崎MF山本悠樹(ボランチ)には、アウェイチームの2トップの一角ホ・ユルがそれぞれマッチアップ。川崎の右サイドバック、DFファンウェルメスケルケン際にも光州のFWガブリエル・ティグロン(左サイドハーフ)が張り付いたため、川崎のパス回しは行き詰まった。
ペナルティエリア手前でボールを保持した高井は、自陣へ降りてきた味方FW遠野大弥(左サイドハーフ)への縦パスを選択したが、これをシン・チャンムにカットされたことで先述のピンチに至っている。自陣でマンツーマン守備をされたときには、相手サイドバック背後へのロングパスで局面打開を図る。こうした原則をチーム内で共有しておく必要があったが、この試合における川崎はこれが不十分だった。
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